2003年10月にコニカビジネスマシンとミノルタ販売が統合して誕生した事務機器の販売会社、コニカミノルタビジネスソリューションズ。2013年10月で統合から丸10年という節目を迎える。これまでMFPやプリンタなどを主力商材に据えて堅調に成長してきたが、ユーザー企業のワークスタイルが変革しつつあるなかで、次の10年を見据えて新しいビジネスモデルの創出に踏み出した。これまでの機器販売を継続しながらも、サービスを加えたソリューションの提供に力を入れている。
市場の劇的な変化に対応する
──今年10月、コニカビジネスマシンとミノルタ販売が統合して丸10年を迎えますが、これまでの経緯を振り返ってください。 和田 当社にとって、統合後のおよそ5年間は一つの会社として継続していくための、組織自体を統合する時期だったといえます。私が社長に就任した2009年は、リーマン・ショックが大きく影響を及ぼしている真っただ中でした。それを何とか持ちこたえ、10年度以降は成長路線に乗ると見込んでいたところに、11年には東日本大震災やタイの大洪水などによって国内市場が大きく落ち込みました。当社も、成長するどころか、前年並の業績を維持するのが精一杯でした。
ただ、早急に1000億円の売上規模を果たすという目標を立てていましたので、とにかく懸命でした。その甲斐があって、12年度(13年3月期)に目標を達成することができました。
──社長就任から、さまざまなことがあったなかで、昨年度に1000億円の売上目標を達成されて、今年度から次のステップに進もうとしておられますが、現段階での課題はありますか。 和田 国内の事務機器市場をみると、この10年でアナログからデジタル化、モノクロからカラーと変化を遂げ、着実にプリント需要を創造することができました。最近になって如実に現れている変化は、ワークスタイルが変革して電子化・ペーパーレス化が進み、プリント需要が鈍化しているということです。例えば、お客様先での会議のスタイルが、紙ベースではなくパソコンやタブレット端末で事足りるようになったといったように、オフィス内の環境は劇的に変わっています。このような状況に当社がどのように対応していくのか、また、どのように成長できるのかを考えなければならない時期にきていると痛感しています。
完全なペーパーレス化というのはあり得ず、また紙のほうがすぐれている点もまだまだ多くありますので、紙がなくなるような事態にはならないことは確かだと思いますが、従来のビジネスだけに頼っていては成長することは難しい。サービスを付加していくなど、紙ベースのビジネスだけではない何かを考えなければなりません。
──具体的には、どのようなビジネスをイメージしておられるのですか。 和田 感じているのは、これまでお客様のワークフローやビジネスシーンをきちんと考えてMFPやプリンタなどを販売していたかということです。どうしても機器を販売することばかりを意識して、お客様が何を求めているのかまで掘り下げて製品を提案していなかったと反省しています。お客様が何にお困りなのかという潜在的なニーズをつかむことが重要で、それに当社が応えていかなければならないと捉えています。
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