世界進出を積極的に進めるNTTデータは、成長市場として中国やASEANと並んで注目されている中南米市場へ本格進出する。米州や欧州などでの売り上げ拡大によって、海外売上高3500億円達成の中期経営計画の目標は、1年前倒しで達成できる可能性が高まってきた。だが、海外市場では日本型の一括請負型のシステム開発手法が通用しにくいなどの構造的な問題を抱えている。NTTデータは、こうした課題を解決し、世界のユーザーから「NTTデータならではの強みを認められる」(岩本敏男社長)ことが、グローバルビジネスの“第二ステージ”と位置づけて、技術力の向上やビジネスモデルの変革に取り組む。
力強く成長する中南米の経済
──2014年は中南米市場に本格進出する年になります。どのように取り組んでいかれますか。 岩本 中南米地域に多くの人員や拠点を展開するスペインのITサービス会社everis(エヴェリス)をグループに迎え入れることによって、中南米市場へ本格進出ということになります。2011年にイタリアのITサービス会社をグループ化したことで、これまで中南米では約700人体制で業務をこなしていました。今回、エヴェリスグループが加わってくれたことで、中南米での人員規模が一気に数千人規模に拡大する見通しです。
私自身、2013年の暮れに南米に飛び、ブラジルのサンパウロ、リオデジャネイロの二大都市、アルゼンチンのブエノスアイレスなどを訪問し、日本の領事館や商社、金融機関、通信キャリアの方々などにご挨拶させていただきました。エヴェリス側の顧客については、グループ化決定を13年10月末に発表したばかりなので今回は見送りましたが、南米には早いタイミングで改めて足を運びたいと思っています。現地で感じたことは、南米だけでも4億人規模の巨大市場であることと、とくにブラジルは金融機関を中心にITを高度に活用しているという点です。
──ブラジル経済といえば、「経済危機」の印象が強く残っていますが。 岩本 ご指摘の通り、80年代から90年代にかけて、ハイパーインフレで苦しんだ時期があって、そのときの教訓でブラジルの金融機関のITシステムは、欧米先進国に匹敵するほど、非常によくつくり込まれているのです。私も、今回、自分の目で見てそれを実感しました。製造業ではエンブラエルに代表される航空機産業の躍進、農業においても急ピッチで近代化が進んでいます。こうした産業はITを積極的に活用して競争力を高めるわけで、当社のITサービスがブラジル経済の役に立てる部分は大きいと手応えを感じています。
中国やASEANと何ら変わらない力強い経済の活力がある南米主要国について、個人的な感想を言わせていただければ、同業他社ではあるものの、日系ITベンダーではNECがブラジルやアルゼンチンで素晴らしい仕事をしていたことと、私が市内の移動のときに使ったクルマが、ごつい防弾仕様だったことが印象に残りました。
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