三つの柱でビジネスを伸ばす
──レッドハットの社長として、ここを変えたいとか、挑戦したいということがあると思います。日本法人としての立場があるなかで、どうお考えですか。 レッドハットは伸びしろが大きいと思っているんです。もはやLinuxはラインアップのごく一部であって、クラウド系、ミドルウェア系、ITマネジメント系といった製品もあります。それらの市場は、OS市場の約20倍はあるんですね。だから、もっともっとソリューションベースで提案できる領域を拡大させていけるのです。
また、製造業と金融業では多くのシェアをいただいているものの、業種が偏っています。地域も東京中心なので、関西や九州、名古屋も伸ばしていきたい。
ですから、製品のエリアを広げ、業種と地域も広げていく。この三つの柱でビジネスが変わっていくとみています。
──市場が20倍なら、三本柱で売り上げが20倍×3ですね。 (笑)。日本のIT市場は、伸びても1%とか2%とかいわれているでしょ。ところが、Linuxのマーケットは年間で8%伸びています。言葉を変えると、メインフレームやUNIX、Windowsの市場に食い込んでいるわけですね。クラウド系の市場は10~12%くらい伸びています。
だから、当社が10~12%伸びるくらいでは、マーケットシェアを取れない。20%くらい伸ばさないといけないでしょう。
──レッドハットとしては、まだ始まったばかりということですね。 市場の認識としても、レッドハットはLinuxのイメージがあると思います。ところが、OS以外も提供している。それをお客様が気づき始めて、採用が増えているのだと思います。市場でのアウェアネスが上がってきたということです。
──ちなみにIoTについて、レッドハットはどのような取り組みをしますか。 IoTは今のところコンシューマが中心。2、3年後には企業向けに普及していきますから、そこでレッドハットの存在が大きくなると思います。IoTは、データを集めて分析することになるため、デバイスよりもIT側の仕組みのほうが重要なんです。レッドハットは、データをつないだり、データの管理を効率的にやったりという一番重要なところをオープンソースベースで提供できる。センサを置いて、データを集めてというようなIoTの仕組みをつくるのは、まさにレッドハットのテリトリ。これから活用していただく機会が増えると思います。
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