──知財とは、具体的にどのようなイメージでしょうか。 世界のIT投資の過半を占める欧米市場で通用する知財となれば、やはり欧米企業から調達するのが合理的。直近ではデジタルマーケティングを強みとする米ブライアリー・アンド・パートナーズをグループに迎え入れるとともに、米ゼロックスグループのパロアルト研究所と先端技術の研究で協業を本格化させています。向こう3年間で500億円規模の投資をM&A込みで想定しており、付加価値の高い知財を軸として、世界市場で国内同様の高収益をあげられるビジネスに一段と弾みをつけたいですね。

中堅オーナー企業を担当したとき、経営者の“視座”とは何かを学ぶ。
これがきっかけで、コンサルタントとして顧客企業の全体像が掴めるようになった。
<“KEY PERSON”の愛用品>お気に入りの中国立体地図 シルクロードの要所「新疆ウイグル」の「疆」の字は、もともとは「境界」の意。だが、もう一つ「三つの山脈に二つの盆地が挟まれているウイグル特有の地形にあてた字でもある」と、お気に入りの中国の立体地図を見ながら話す。

眼光紙背 ~取材を終えて~
コンサルタントのキャリアをもつ此本社長にとって、顧客とビジネス談義をするのは、ある意味お手のものだ。その一方で、今年4月、トップに就いてまず直面したハードルが、国内外の総勢1万1000人からの社員とのコミュニケーションだった。
常務や専務時代は、自分と同じような立場の役員との対話が多かったが、社長になった途端、社内のさまざまな立場やキャリアのスタッフの腹に落ちるようメッセージを伝える必要が出てきた。
「かつての自分もそうだったが、個々の社員は会社の業績のためだけに働くのではなく、自らやりたいことがあったり、キャリアの形成といった“成長目標”がある。これを踏まえないとうまく伝えられない」と話す。
社長の思いが社員に伝わらなければ会社は動かない。その「伝える力」を重視し、社員のモチベーションの源泉を意識しながら言葉を発している。(寶)
プロフィール
此本 臣吾
此本臣吾(このもと しんご)
1960年、東京都生まれ。85年、東京大学大学院工学研究科産業機械工学修了。同年、野村総合研究所入社。94年、台湾・台北事務所長(のちに台北支店長)。2004年、執行役員コンサルティング第三事業本部長兼アジア・中国事業コンサルティング部長嘱託。10年、常務執行役員コンサルティング事業本部長。15年、専務執行役員ビジネス部門担当、コンサルティング事業担当。16年4月1日、代表取締役社長に就任。
会社紹介
野村総合研究所(NRI)の昨年度(2016年3月期)の連結売上高は前年度比3.8%増の4214億円、営業利益は同13.2%増の582億円。18年度までの中期経営計画では売上高5000億円、営業利益700億円、海外関連売上高580億円。22年度の長期経営ビジョンでは営業利益1000億円、営業利益率14%、海外関連売上高1000億円を目標に掲げている。