来年はIoT分野に進出
──来期の目標を教えてください。
まずは今やっていることをレベルアップさせることですね。そして、全社員がI・Oデータの価値を、お客様やパートナー様に語れるようになることです。
商品のジャンルでは、無線LANルータやクラウドサービス、小型PCなどをもっていますので、こうした資産と外部のサービスと組み合わせてIoT事業で何か生み出したいと考えています。まだビジネスになるかわかりませんけれど、いろいろ模索しています。
──売上目標はいかがですか?
正直、右肩上がりじゃなくてもいいと思っています。17年の売上目標は500億円弱ですが、これよりも少しよければいいと思っています。それよりも他社との違いが出せるか、というほうが重要です。他社との差を埋めるのではなく、I・Oデータは他社と違うことをやっていますね、といわれるような、そんな会社になることが目標です。
社長を向いて仕事をしてもらっては困るのです。
社長と同じ方向をみて仕事をしてほしいと思っています。
<“KEY PERSON”の愛用品>使い分けて読書を楽しむ
週末や移動中に読書を楽しむ濱田社長の愛用品はブックカバー。書店オリジナルの紙のブックカバーも愛用しており、文春文庫、新潮文庫、時代小説など出版社やジャンルに合わせて使い分ける。ビジネス書で使うのは『ハウルの動く城』カバーだ。

眼光紙背 ~取材を終えて~
アイ・オー・データ機器では一風変わった社員教育を実施している。それが「I-O千日対話合宿」だ。見えざる資産を蓄積し、自分をきちんと主張できる集団になるために、部門などの垣根を越えて社員同士で対話を行う。
セミナーや講習会は、外部から講師役を招くことが一般的だが、同社では講師まで自前なのが特徴だ。社員が外部講師から学び、ノウハウをつけたうえで運営している。濱田社長は、こうした社員教育を3年くらいは続けていく計画だ。
「社員同士で対話をし、相手の考え方を理解することでアイデアが生まれる。横とのつながりが、個人のモチベーションを高めてくれると思っている。今ある企業風土を少しずつ変えながら積み重ねていきたい」と濱田社長は語る。(海)
プロフィール
濱田尚則
(はまだ なおのり)
1965年、石川県生まれ。90年4月にアイ・オー・データ機器に入社し、2004年に営業部部長、07年に執行役員CS部部長、11年に取締役執行役員CS部部長、13年に取締役執行役員営業部部長、14年に常務取締役執行役員営業部部長、15年に常務取締役事業戦略本部本部長 兼 執行役員販売促進部部長、17年7月に常務取締役事業戦略本部本部長に就任、事業戦略本部本部長を兼務しながら9月に代表取締役社長に就任。
会社紹介
アイ・オー・データ機器は、1976年創業のPC、デジタル家電、スマートフォン関連の総合デジタル機器メーカー。従来のハードディスク、液晶ディスプレイなどのPC周辺機器に加え、昨今ではPC不要で手軽に音楽CDの楽曲がスマートフォンに取り込める「CDレコ」や急速に広がるIoT市場に向け小型PCなども投入している。