コンパル(川口辰彦社長)は、IPビデオ電話機や携帯電話関連の商材など、非パソコン系の事業立ち上げに力を入れる。川口社長は、「IPビデオ電話機など、パソコンを使わない通信機器の販売が好調で、このまま推移すれば今年度(2002年6月期)末には、周辺機器販売と同等以上の売り上げになる」と話す。同社は、これまでパソコン周辺機器を中心に年商3億円の事業を継続してきたが、昨年末からIPビデオ電話機の販売を始めたところ、わずか半年あまりで周辺機器を超える3-4億円の事業に成長する勢いとなった。

 IPビデオ電話とは、LANに接続することで映像と音声をやり取りできるテレビ電話。コンパルでは、単体で12万8000円のIPビデオ電話の販売に加え、LANを構成するルーターやハブ、外部に接続するADSL回線など、IPビデオ電話の動作環境を丸ごと受注することで商談規模を大きくする考え。

 IPビデオ電話は、すでに一部の通信事業者やプロバイダが採用を始めている。コンパルは、こうした大口需要向けの販売は手がけず、小規模で専用特化した需要を「小石をひとつひとつ拾うように」(川口社長)集め、積み重ねていく方針。

 具体的には、(1)老人ホーム内のIPビデオ電話を使った連絡網、(2)難聴者などの手話用にIPビデオ電話を使う、(3)大学などの遠隔授業、(4)宗教団体などで信者用の端末としてIPビデオ電話を活用、(5)工場など事業所内のLANを使ったIPビデオ電話、(6)事務所の受付用――など、各種の小口需要を見込む。

 川口社長は、「ADSL回線を使いIPビデオ電話から格安に電話をかけられるなど、一般消費者を狙った展開をすると、どうしても体力勝負となり、資本力がある大手が有利になる。当社は、IPビデオ電話単体での用途、あるいはすでにLANが敷設してある施設などに追加的にIPビデオ電話を取り付けるなど、小ぶりでも収益性が良い事業展開を図る」と話す。

 すでに、LAN敷設会社など11社が、同社のIPビデオ電話の取り扱いを始めている。今年度末までに、8000台のIPビデオ電話を販売し、これに伴うLAN構築案件などを含め総額で3-4億円の売り上げを見込む。周辺機器事業の年商が3億円前後であるため、今年度末には周辺機器事業の売り上げを追い越すことになると見ている。

 「パソコン周辺機器は、台湾、韓国、中国などからの大量に安いバルク品が流入し、価格が著しく下がる傾向が続いている。ハードディスク、メモリ、ビデオカードなど主要製品の価格は、国内大手のメルコやアイ・オー・データ機器など大手周辺機器ベンダーが主導権を持つのではなく、ゲリラ的に出てくるバルク品に足を引きずられ、どんどん価格が下がる構造になっている」と、厳しい周辺機器市場を分析する。

 コンパルでは、当面、市況が弱含みの周辺機器市場と距離を置きながら、IPビデオ電話や携帯電話など、非パソコン領域において、新しい事業の立ち上げに取り組む。