東芝テック(森健一社長)は04年度を最終年度とする中期経営計画を推進しているが、画像情報通信カンパニー(畠山泰次社長)は、「Net-Ready MFP戦略」を柱にドキュメント・ソリューション・プロバイダに脱皮していく方針を明らかにした。複写機メーカー各社は、ネットワークにおける新しい複写機の位置づけと用途提案を模索している。ドキュメント・ハイウェイ構想(リコー)、ドキュメント・ソリューションカンパニー(富士ゼロックス)などの構想を打ち出し、主導権争いを展開しているが、東芝テックは「Net-Ready MFP戦略」でこの戦いに参戦する。

ドキュメント・ソリューションを核に

 同社は、東芝グループのなかでOA、事務機事業部門を担当、複写機を主力とした画像情報通信事業、POS端末を主力とした流通情報システム事業、クリーナーなどの家電事業部門をもっている。01年度の連結売上高は3372億円、経常利益は16億円の黒字だったが、純利益は51億円の赤字だった。中期経営計画では、04年度に売上高4100億円、経常利益200億円、純利益110億円を目指す。

 画像情報通信事業カンパニーは、01年度の売上高は1677億円。04年度には2180億円を目指す。

 複写機はデジタル化が急進展、MFP(マルチ・ファンクション・プリンタ)と呼ばれる複合機が主流となっている。こうしたデジタル化で主導権を握った日本メーカーは世界市場でシェアを伸ばしており、キヤノン、リコーなどはIT不況のなかでも絶好調の業績を維持している。

 従来のデジタル複合機は、あくまで単体として売られることが多く、デジタル化によるネットワークとの親和性が増しているにもかかわらず、そのメリットを生かし切れていない。

 その打開策として各社各様のコンセプトをまとめ、「ネットワークのなかに組み込まれたMFP」像を模索、ソリューション提案に乗り出している。

 ディーラーとして独自の「ODS(大塚ドキュメントソリューション)」構想を打ち出し、着々と導入実績を積み上げている大塚商会では、「ODSはユーザーニーズを先取りして開発した。大手企業への導入が進み、いずれも高く評価されている」(大塚裕司社長)としてブームは近いとの感触を深めている。

 こうしたなか、東芝テックは「Net-Ready MFP戦略」を打ち出した。

 同社は、e-Bridge Technologyと呼ぶ新技術で、コピー、FAX、スキャニング機能をオールインワンで搭載した新エンジンを開発、来年6月発売予定の戦略的カラーモデル機に搭載する。

 こうしたシステム製品の販売では、ネットワークやソフトウェアの知識が必須となる。そのため、各社とも直販を強化するとともに、システム販社へのアプローチを強めている。

 東芝テックでも、「直系チャネルを強化、ここで積んだノウハウを販売店に広げていく」(畠山社長)一方、システムインテグレータへの働きかけも強めていく。

 「複写機ビジネスは大きな転機を迎えている。ボックス売りで食えた時代は終わろうとしているし、消耗品に利益を依存するビジネスモデルも厳しくなっていく。変わってSE力が必要な時代になりつつあり、東芝グループにはこの力が相当あるので、当社はグループを上げて強みを発揮していく。ドキュメント・ソリューション事業の台頭は千載一遇のチャンス」(下村祥介常務執行役員・画像情報通信カンパニー国内営業統括部長)と、全力を挙げて事業強化に取り組む。