大規模システムの需要開拓へ

 日本SGI(和泉法夫社長)は、ストレージ事業に力を入れる。今月下旬にSAN(ストレージ・エリア・ネットワーク)の新製品を市場投入。大規模ストレージシステムの開発、販売を本格化する。同社は昨年11月にストレージ市場へ参入し、日立製作所との技術・販売提携を通じ拡販に努めてきた。今後、大規模システムの需要開拓で1-2年内に全社売上高の約1割を同事業で占めたい構え。

 同社のストレージ製品の強みは、共有ファイルシステムソフトウェア「SGI CXFS」を用意している点にある。同ソフトは、ウィンドウズやUNIX、Linuxなどが混在するヘテロジニアスなSAN環境で、ファイル共有、分配を行うクラスタファイルシステム。複数のコンピュータから共有ファイルシステムに直接アクセスすることができる。SAN上に「SGI CXFS」ファイルシステムで接続された全てのシステムは、ローカル上と変わらないスピードで同じファイルにデータの同時書き込み・読み出しをすることが可能となる。

 また、大規模システムへの導入が容易なのも特徴。最大245テラバイトまでのデータ容量に対応する。東京大学宇宙線研究所から、IA(インテル・アーキテクチャ)サーバーによる合計700CPUのクラスタシステム、および245テラバイトにのぼる容量のストレージシステムで構成する大規模科学技術計算システムを受注した実績もある。今月下旬にはSAN環境に特化した新製品を販売する。また、年末までに、デジタルコンテンツの制作・配信、アーカイブス、課金までを一元管理するソリューション「Infinite ML」に対応したストレージソリューション「Media SAN Server(メディア・サン・サーバー)」の販売も予定している。

 ストレージソリューション推進部の宮崎隆部長は、「当社のソリューションは、大規模なシステムへの導入が容易に行えるのが強み。マルチメディア関連事業では大きな実績があるので、大規模ストレージシステムが必要とされる放送関連事業者などに売り込んでいきたい」と語った。これまでは大学や研究機関、官公庁への販売が主流だったが、今後は大容量のコンテンツを抱える放送局やISP事業者などにも積極拡販し、ストレージ事業の拡大につなげる。