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日立製作所 企業向けパソコンの管理サービス開始 導入から廃棄までASPで支援

2003/09/22 19:32

週刊BCN 2003年09月22日vol.1007掲載

 日立製作所(庄山悦彦社長)は、パソコンの導入から廃棄までの利用サイクルを管理する「PC管理サービス」を開始した。企業のパソコンのCPUやハードディスクなどの資産管理や廃棄時のデータ消去、不要パソコンを中古市場に流通する手立てを支援する。同サービスはASP(アプリケーションサービスの時間貸し)方式で提供し、パソコンを200-5000台所有する中堅・中小企業への販売を目指す。

 「PC管理サービス」では、パソコンのCPUやメモリ、ハードディスク、LANカードなどのハードウェア構成、パソコンの管理番号、使用年数など資産情報を一元管理できる。情報はサーバーで一括管理し、管理者がインターネットを介して検索できる。

 管理データは、表計算ソフトで利用できる「CSV形式」でのダウンロードが可能で、項目別の管理が簡単にできるのが特徴。同サービスを導入した企業では、パソコンの棚卸しや監査などの時に実機を1台ずつ確認する作業が不要になる。

 データ消去に関しては、同サービスの付属ソフトとして米国防総省規格に準拠した米ブランコ社のユーティリティソフト「CLEAR-DA」を加えた。また、従来から実施していたデータ消去の代行サービス「ホワイトニングサービス」も同サービスで行う。

 堀之北寿朗・ソリューション統括本部サービスビジネス部部長は、「ソフトやハードの技術革新は早く、すぐに陳腐化してしまう。古いソフトを消却して効率良く新たなソフトや周辺機器の購入時期を知るうえで、このサービスは有効だ」と強調している。

 同社は昨年11月から日本アイ・ビー・エム(日本IBM)と共同で、企業で使用済みになったパソコンの回収・リサイクル事業を実施しているが、今回のサービスでデータ消去後に廃棄されるパソコンを中古市場で再利用する流通網も構築した。

 これまではパソコンを廃棄する際に料金を請求されていたが、「中古パソコン市場に売ることで、逆に棚卸し資産を資金にすることができる」(林正和・ソリューション統括本部サービスビジネス部技師)としている。

 価格は、基本料金が初年度7万円、2年目以降は3万円。管理サーバーのメンテナンス費用はクライアントパソコンごとに年間3000円が必要。対象となる企業は、200-5000台のパソコンを所有し、支店や事業所を持ち情報システム担当が他の業務を兼務する社内環境にある中堅・中小企業。

 同社では、「通常、パソコン1台の導入から廃棄までの管理費用は3-4万円はかかるが、このサービスでは、こうした費用を10分の1にすることができ、需要は高い」と、年間1億円の売り上げを見込んでいる。
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