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XML技術者育成推進委員会 マスター制度を海外展開へ 04年、認定者1000人を目指す

2003/12/01 19:39

週刊BCN 2003年12月01日vol.1017掲載

 XML技術の普及や技術者育成を推進するXML技術者育成推進委員会(斎藤信男・慶應義塾大学教授)は、国内で2001年10月から開始しているXML技術者認定制度「XMLマスター」について来年1月から海外展開することを明らかにした。

 海外のIT教育機関などを通じ世界121か国、約4000拠点のテストセンターで試験を開始するほか、日本や東南アジアの日系企業からのソフトウェア受託開発の需要が高い中国で普及活動を展開する計画だ。

 海外での認定試験は、コンピュータを利用したテスト事業を行う米プロメトリック社公認のテストセンターで実施する。当面は基礎技術を認定する「ベーシック」の英語版試験を実施するが、上位試験の「プロフェッショナル」も将来的に海外展開する予定。受験料は各国共通で125ドル(国内は1万5000円)。04年は海外だけで1000人程度の認定付与を目指す。

 中国では11月から北京市で同制度のセミナーを開催し、IT先進地の上海市や大連市にあるIT教育機関10社程度と、認定取得に必要な教育コースの設置に必要なサポート体制を構築する準備を開始。04年1月から中国主要都市での受験を可能にする。さらにこれとタイミングを合わせ、日立システムアンドサービスが中国大連市のシステムインテグレータである大連華信計算機技術有限公司と共同運営するトレーニング試験センター(DHEE)で、日本語版での受験も可能になる。

 国内の「XMLマスター」は、「ベーシック」「プロフェッショナル」を合わせ今年9月には6000人を突破した。同制度には「XMLコンソーシアム」(会員232社)やNEC、富士通、日立製作所など主要ITベンダーが支援するXML技術を網羅しており、唯一の技術者認定制度となっている。同推進委員会の事務局長を務める平野洋一郎・インフォテリア社長は「IT技術を客観的に計る指標としてXMLマスターは定着した。特にアジア圏では企業単位で受講するニーズが高そうだ」と、電子商取引やウェブサービスが広がる同圏域への波及を期待している。
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