ニュース

コンピュータウェーブ 企画から卸まで一貫体制構築 付加価値製品で黒字転換目指す

2003/12/08 19:39

週刊BCN 2003年12月08日vol.1018掲載

 ソフトウェアのディストリビュータ、コンピュータウェーブ(辻本和孝社長=写真)がソフトウェアの商品企画から卸売まで一貫して行う体制を構築する。製品の企画開発まで関わることでメーカーやショップとの連携を強化し、コンシューマや企業顧客のニーズに合わせたソフトを提供することが目的。同社は昨年度(2003年9月期)にソフトの個人需要低迷や販売単価の下落などで赤字に転落した。今年度(04年9月期)は、この開発一貫体制を生かした付加価値製品の提供で黒字転換を狙う。

 コンピュータウェーブは、商品企画と開発、マーケティング、店頭販促などを行うため、03年10月1日付で大幅な組織改革を行った。商品の仕入れを行うMD本部を拡充。さらに営業要員をMD本部にシフトするなど、顧客の声に近い営業セクションのノウハウを生かし、競争力のある商品を仕入れるマーチャンダイジング機能に振り向けた。これと同時に、ショップの情報からコンシューマニーズをつかみ、その情報をもとにメーカーとの連携で同社が独占的に発売できる独自ソフトの共同開発も行う。第1弾として、食品菓子メーカーのフレンテがシュガーレスタブレット菓子「ピンキー」で用いている猿のキャラクターのライセンスを取得し、クレオのはがき作成ソフト「筆まめ」用として、「ピンキーのはがきデザイン集 筆まめ用」として実現した。「独自ソフトは通常のソフトと比べ、1タイトルあたり約2倍の粗利を期待できる」(辻本社長)というのがソフト開発も行なう理由。

 ECビジネスでは、プロテクト技術開発のイーディーコントライブと提携し、ショップのサイトからソフトのダウンロード販売ができる「ESDサービス」で、不正コピーを防止する技術を組み込んだ「ESDコピープロテクトサービス」を提供開始した。これにより、「ESDサービス用に提供されるソフトが増えるという相乗効果や、不正コピー防止による販売本数の増加」に期待しており、1年間で販売本数の30%増加を狙う。一般販売管理費については、電話応対専門のコンタクトセンターを設立し、1億3700万円程度の人件費を削減するほか、丸紅インフォテックと物流機能を統合したことで輸送コストが6800万円減ること、オフィスの縮小による5000万円弱のコスト削減を掲げている。

 昨年度(03年9月期)決算は、需要の低迷や販売単価の下落により、売上高が前年度比10.6%減の487億5200万円で、営業損失6億900万円(前年度は5億600万円の黒字)、経常損失7億100万円(同4億200万円の黒字)、当期純損失6億8200万円(同2億1600万円の黒字)と赤字に転落した。今年度は、付加価値製品の提供とコスト削減を徹底することで、売上高が前年度比6・6%増の520億円に対して営業利益2億1000万円、経常利益1億円、当期純利益9000万円と黒字復活を目指す。
  • 1