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アイエックス・ナレッジ プロジェクト管理をビジネス化 PRAでソフト開発リスクを評価

2004/01/05 20:19

週刊BCN 2004年01月05日vol.1021掲載

 アイエックス・ナレッジ(IKI、安藤文男社長)は、自社で培ったプロジェクト管理ノウハウを外部のシステムインテグレータ、ソフト開発会社向けにビジネス化する方針を固めた。

 IKIで、不採算プロジェクトの一掃を目指して、2002年4月からスタートしたPRA(プロジェクト・リスク・アセスメント)活動で得られた成果をビジネスに生かしていく。

 システムの開発案件では、仕様の追加や最新テクノロジー導入などによるスケジュール作成でのミス、人材投入が要因となる危害発生など、開発期間の延長による損失が発生するケースが多い。

 これを防ぐためのPRAは、「リスク管理表」、「リスク管理表の分析などのツール群」、「運用規定」などで構成。プロジェクトの進捗を監視し、常に開発状況を把握しておくことで工程の遅れを未然に防いでいく。

 常務事業部長クラスを委員とするPRA委員会で検討してきたPRAについて、事業管理コンサルティング会社のクロスリンク・コンサルティング(拝原正人社長)と共同で、ソフト開発のリスク管理業務を開始する。IKIがPRA手法を提供する形で事業を開始。約70件のチェックリストに沿ってリスクを評価していく。チェック項目のリスク点数の管理は、IKIの工程管理技術者が行う。

 IKIは02年度(03年3月期)に、システムインテグレーション事業で7億円超の赤字プロジェクトを抱えていた。同社の02年度の業績は、売上高167億4200万円に対して営業損失1億6600万円、経常損失1億7500万円、最終損失7億円。今年度は、赤字プロジェクトによる損失の半減を目指し、PRA活動を進めている。

 今回は、自社のBPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)のために開発したノウハウをクロスリンクに提供する形になっているが、将来的には自社でPRAビジネスを展開することも検討していく。
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