ニュース

コア ハードの評価を事業化 売り上げ2億円で粗利率30%

2004/01/05 20:19

週刊BCN 2004年01月05日vol.1021掲載

 コア(井出祥司社長)は、携帯電話などソフトウェアを組み込んだハードウェアの性能評価・検証する組織を2004年度(05年3月期)初めにも設置する。中国市場で携帯電話の評価ビジネスを行っている実績を生かし、日本でも本格化させることで組み込みソフト開発事業の拡大に弾みをつける。初年度の売上高目標は2億円。「粗利率は30%程度になる」(井出社長)と高い利益率を計画している。

 ハードウェアの評価ビジネスを手がける組織は、組み込みソフト開発を手がけるシステムウェア事業カンパニーの中に設ける予定。これまでの組み込みソフト開発は、ハードの評価・検証を行うかどうかが各案件の契約によって異なっていた。同社では、専任の組織も置くことで、「評価ビジネスで確実に利益を出す」(井出社長)ことを目指していく。

 同社では、中国にある子会社の上海コアや北京コアを使って、中国市場で販売する携帯電話の評価・検証を行っている。日本では、中国での実績をベースに、携帯電話に加えてプラズマディスプレイテレビやDVDなどの評価・検証も行う。

 中国では、50-60人体制で業務を行っており、「コストは、国内でシステムエンジニア(SE)を使った場合の3分の1程度」という。しかし、「製品の幅を広げた場合、この人員では足りない。また、日本市場で販売する製品は国内で評価・検証した方が効率的」という理由から、日本にも専門の組織を設けることにした。

 人員については、「派遣会社と提携して案件ごとに人員を揃える」ことでコストを抑える。中国市場での実績をマニュアル化するなどして、品質が高い評価・検証を徹底する。

 国内コンシューマ市場では、DVDレコーダや薄型テレビなどデジタル情報家電の需要が拡大しつつある。そのため、同社の組み込みソフト開発は、03年度中間期で前年同期比35.6%増の21億2600万円と拡大している。

 新設する組織では、当初は同社がソフトを組み込んだハードに関してのみ評価・検証を行う。評価ビジネスを加えることで、「組み込みソフト開発の売上比率は全体の約50%。これを今後3年間で60%まで引き上げる」と、事業拡大につなげる。

 また、将来的には、他社が組み込んだソフトの評価・検証にも手を広げる考えだ。
  • 1