米の通信用ヘッドセット大手、プラントロニクス(カリフォルニア州)の日本法人である日本プラントロニクス(村田浩志社長)は、今年からオフィス向けと携帯電話用ヘッドセットの販売を本格化させる。ヘッドセットは、電話機と接続し、頭や耳にかぶせて通話中でも両手を自由に使えるようにする製品。コールセンターなどでは必需品だが、日本のオフィスでは普及していない。「米国では一般のオフィスでも10人に1人はヘッドセットを利用している。日本でも早くこれぐらいの普及率に迫りたい」(村田社長)として販売活動に力を入れる。

 米プラントロニクスの創業は1962年。軽量ヘッドセットを考案した2人のパイロットが起業した。それ以来ヘッドセットの専業メーカーとして成長、ニューヨーク証券取引所(NYSE)のメンバーであり、全世界の従業員は2700人という。日本法人の設立は1999年。

 ヘッドセットは、日本でもコールセンターには100%普及しているが、一般のオフィスにはほとんど導入されていない。

 「米国ではここ数年で一般のオフィスへの普及が急速に進み、オフィスワーカーの10人に1人はヘッドセットを利用するまでになった。ハンズフリーという電話中でも両手が自由に使える便利さと快適さに加え、生産性の向上にも役立つ。日本ではこの点の訴求が不十分なため、普及が遅れていた。今年から本格的にヘッドセットの啓蒙活動を展開し、販売につなげていく」と村田社長は語る。

 村田社長によれば、ヘッドセットのマーケットは大きく分けて3つあるという。1つはコールセンター。ここには100%普及しているが、マーケットサイズはそれほど大きくない。第2、第3のマーケットは、未開拓分野である一般オフィス市場と携帯電話市場だ。「この2つの市場はもともとの母数が大きいので、数%普及するだけでも巨大なマーケットに育つ」という。

 携帯電話市場で大きな追い風になると期待しているのは道路交通法の改正だ。運転中に手に持って携帯電話を使用していると、罰則に加えて、警察官が確認すれば罰金の対象とするという議論が進んでいる。アメリカではヘッドセットを利用していれば運転中の通話でも処罰対象外とする州が増えているという。日本プラントロニクスでも、「国会審議を注意深く見守っていきたい」としている。

 また、最近、少し動き出しているのがパソコン市場だという。パソコンとウェブカメラをつないだチャットがブームになっており、その際にヘッドセットを利用する人たちが増えている。

「口コミの世界だけに、その便利さが認知してもらえれば黙っていても売れる」が、まだ入り口が見えないのが一般オフィス市場。村田社長は、「ヘッドセットを使っていれば、両手は自由に使えるので、非常に快適。こうした便利さ、快適さを地道に訴えていく」として、旅行会社や企業の受付など、通話時間が長くなる業種、業態を選んで便利さを訴えていく方針を固めている。