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ティー・アイ・シー 自治体業務システムを拡販 グループ企業と連動し受注へ

2004/02/09 20:22

週刊BCN 2004年02月09日vol.1026掲載

 自治体向けシステム開発が売上高の約7割を占める富士通系ディーラーのティー・アイ・シー(TiC、荻野仁社長)は、市町村合併の対象となっている埼玉県内の自治体に対して、これまでの導入実績を生かしたアプリケーション拡販を積極化する。

 同社は本社をさいたま市に置き、富士通システムソリューションズ(Fsol)と共同で、3市合併で誕生したさいたま市発足にともなう住民記録のシステム統合やデータ移行を手がけた。「この合併で得たノウハウを武器に、自治体案件を増やしたい」(荻野社長)と、富士通グループのFsolやパートナーの内田洋行と連動した受注活動を展開していく。

 TiCは2001年から、製造・流通業など民間企業向けのSE(システムエンジニア)を公共事業関連の部署に順次異動させ、自治体系の業務にシフトしてきた。これまでに、自治体業務アプリケーションとして、学齢や税務、老人医療、学籍、児童手当、水道検針、選挙、幼稚園─など約20種類の自社システムを開発している。

 この実績に注目したFsolは01年、TiCに資本参加。Fsolの業務ソリューション「ウェブサーブ」に組み込まれた自治体向け「公文書管理システム構築サービス」は、TiCの文書管理や電子決裁のノウハウを基に構築された。TiCの文書管理システムは、埼玉県内だけでなく、全国の37市町村で導入されている。さらに、さいたま市の案件で開発した住民記録システムを同サービスに付加する開発も進めており、「より汎用的なサービスとなる」(藤田泰志・公共システム部第三システム課課長)という。

 TiCは、埼玉県を中心に群馬県や栃木県など北関東に強固な営業基盤を持つ。埼玉県内ではシステムの保守・運用で草加市や鳩ヶ谷市など7自治体が顧客となっているほか、すでに全国100自治体以上で同社のシステムが納入され稼動しているという。

 荻野社長は、「来るものは拒まずで、し尿管理や就学児童管理などのサブシステムまで開発してきた。今後は、民間企業向けの仕事を減らし、この業務ノウハウを生かして自治体に特化していく」と、市町村合併をチャンスととらえ、さらに自治体ビジネスの強化を図る。
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