サーバーデータなどの改ざんを検知するソフトを開発・販売するトリップワイヤ・ジャパン(北原真之社長=写真)は、他社とのアライアンス戦略を加速させる。今月上旬、NEC(金杉明信社長)の自動復旧ソフトと組み合わせたパック製品を共同開発し、NECとトリップワイヤの1次代理店が販売を開始した。昨年12月にはシスコシステムズ(黒澤保樹社長)、トレンドマイクロ(スティーブ・チャン社長兼CEO)の両社と協業体制を構築。3社の強みを生かしたセキュリティ対策の総合戦略を打ち出した。このほか、ベリタスソフトウェア(木村裕之社長)との協業でバックアップソフトとの連携を可能にするなど、セキュリティベンダーを中心としたITベンダーとの協業を拡大。セキュリティ分野で実績のあるベンダーと協業体制を築くことで、製品の拡販につなげるとともに、「ニッチな分野」である改ざん検知ソフトの知名度向上も合わせて進めていく。

 トリップワイヤが扱っているソフトは、サーバー上のデータやネットワーク機器の設定などが改ざんされた場合に、システム管理者に知らせるのが主な機能。北原社長が、改ざん検知ソフトを「必要性を理解しているユーザーは増えているものの、認知度がまだまだ低いニッチな分野」と現状を分析しているように、改ざん検知ソフト市場の市場規模自体はまだ小さい。2000年の日本法人設立以来、販売代理店の整備に力を入れ、現在7社と代理店契約を締結。「ほぼ販売網は整っている」(北原社長)というところまできた。

 また、「当社の製品を単体で導入するユーザーは少ない」と判断し、新たな戦略として他のセキュリティ製品との連携やセキュリティベンダーとのアライアンスで製品の拡販、知名度向上を推進していく。昨年11月には、ベリタスソフトウェアのリカバリソフトと連携し、バックアップする前のデータ改ざんの有無を検証し、改ざんされていない正常なデータのみをバックアップするソリューションを開発。これはベリタスソフトウェアとトリップワイヤ双方の販売代理店である新日鉄ソリューションズ(鈴木繁社長)の3社による共同開発で実現した。「双方の強みを理解している新日鉄ソリューションズが携わってくれたことで、スムーズに開発が進んだ」(北原社長)という。

 さらに、12月にはトレンドマイクロ、シスコシステムズとの間でウイルス対策やIDS(侵入検知システム)などと連携したセキュリティ対策のトータル戦略を推進してくことで協業体制を構築。今後、共同プロモーションや製品開発などを3社で進めていく方針だ。今年2月からはNECの自動復旧ソフトと連携したパックモデルも販売開始するなど、ここ数か月で、アライアンス戦略を加速させている。北原社長は、「単体の機能の提供ではなく、あくまで問題解決のためのソリューションという形で提供するのがユーザーにとって一番のメリット。当社のみでは提供できない分野はまだ残っており、今後もさらに協業体制の確立を進めていく」と、協業戦略に拍車をかけていく方針だ。