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ITX-EG 未知ウイルスも検出するセキュリティソフト投入 法人、個人向け市場で年内に

2004/07/12 21:03

週刊BCN 2004年07月12日vol.1047掲載

 ITXの全額出資子会社であるITXイー・グローバレッジ(ITX-EG、野村昌雄社長)は、クライアント向けウイルス対策ソフト「Panda AntiVirus Titanium(パンダアンチウイルスチタニウム)」(仮称)を企業向け、個人向けの両市場で年内に販売開始する。既知のウイルスだけでなく、未知ウイルスも防ぐことが可能な新技術を搭載し、競合他社との差別化を図った。これにより、大手企業の寡占状態が続くウイルス対策パッケージソフト市場に参入する。

 「パンダアンチウイルスチタニウム」は、すでに発生しているウイルスだけでなく、未知ウイルスの駆除にも対応可能な新技術を搭載している。従来のウイルス対策ソフトは、新しいウイルスが発生した後に、それに対応した定義ファイルをパソコンにインストールすることでウイルスを防ぐのが一般的。定義ファイルを追加しなければ、新ウイルスの駆除は不可能だ。

 同製品は、定義ファイルによるウイルス駆除に加え、未知プログラムの動作を常時監視・解析する。「コンピュータへの侵入をリアルタイムに検知し、不審な動きをするプログラムをブロックする“振る舞い検知技術”を新たに開発・搭載した。これによって、未知ウイルスへの対応が可能になった」(森豊・カントリーマネージャー)という。万一、ウイルスの攻撃を受けた時でも、感染によるシステムダウンから自動復元する機能も備える。

 また、同製品は他のセキュリティ対策ソフトとも併用が可能で、競合他社のウイルス対策ソフトを導入しているパソコンにもインストールすることができ、「さらに強固なセキュリティレベルを確保できる」(森カントリーマネージャー)。従来、異なるベンダーのソフトを1つのパソコンにインストールすることは不可能だった。

 ITX-EGでは同製品を企業向け、個人向け市場の双方で販売展開していく方針。日本語化などのローカライズ作業を行った後、年内に販売開始する。企業向けでは、大企業や中小企業向けモデルなど数種類を販売していく予定。英語のベータ版のダウンロード提供に関しては、すでにITX-EGのホームページ上で開始している。販売は、ITX-EGが直接エンドユーザーに提供していくか、ソフト販売会社に委託するかを現在検討している。価格は未定。

 ITX-EGが発売するウイルス対策ソフトの開発元は、スペインのセキュリティベンダーであるパンダソフトウェア(ビルバオ市)。ITX-EGは2002年12月、パンダソフトウェアと日本市場における総販売代理店契約を結び、昨年9月にゲートウェイ型ウイルス対策アプライアンス製品を発売し、セキュリティビジネスを本格化させた。

 今年8月からは、ASP型のウイルス対策サービスを開始する予定で、ウイルス対策を軸にセキュリティ事業を強化している。
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