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IWI セキュリティソフトの海外販売を加速 年内に米中、来春に欧で現法設立

2004/10/04 21:11

週刊BCN 2004年10月04日vol.1058掲載

 金融機関やカード会社向けシステム構築に強いインテリジェントウェイブ(IWI、安達一彦社長<b>=写真</b>)は、内部情報漏えい対策に主眼を置いた自社セキュリティパッケージソフト「CWAT(シーワット)」の海外販売を強化する。年内に米国と中国、来年4月までには欧州に営業拠点を設立する。海外市場での販売の足場を作り、販売とともに顧客サポートや販売パートナーの開拓も進める計画だ。米国では近く販売パートナー企業2社と契約を交わす予定で、、、

 金融機関やカード会社向けシステム構築に強いインテリジェントウェイブ(IWI、安達一彦社長=写真)は、内部情報漏えい対策に主眼を置いた自社セキュリティパッケージソフト「CWAT(シーワット)」の海外販売を強化する。年内に米国と中国、来年4月までには欧州に営業拠点を設立する。海外市場での販売の足場を作り、販売とともに顧客サポートや販売パートナーの開拓も進める計画だ。米国では近く販売パートナー企業2社と契約を交わす予定で、まずは米国での拡販に力を注いでいく。シーワットは、約4か月前にまず韓国で販売を開始し、その後台湾とシンガポールでも、現地の販売パートナーを通じて発売しており、日本市場だけでなく、海外市場での販売に力を入れてきている。

 安達社長は、「シーワットのターゲットとなるジャンルで、日本市場と比較して3倍の市場規模を持ち、競合ベンダーがほとんどいない米国」を次の海外進出国としており、約2億円投資し、近く米国法人を設立する。米国法人は、約10人の社員でスタートし、現地の顧客サポートと販売パートナーの開拓を進めていく。すでに2社と販売パートナーの協業体制確立がほぼ決まっている段階で、「将来的には40社程度のIT企業との協業でパートナー網を築きたい」(安達社長)としており、日本と同等数のパートナー企業を募る計画だ。

 そのほか、年内には中国にシーワットの販売・サポートを手がける現地法人を中国のIT企業と合弁で設立する予定。さらに来年4月までには、欧州地域の販売を手がける営業拠点を設ける考えで、各国の現地法人設立を機に、海外販売の拡大に拍車をかけていく。安達社長は、「情報漏えいは日本企業だけでなく、海外企業も抱えている共通の悩みであり、マーケットは世界にある。情報漏えい対策製品は、世界各国でも今がチャンスであり、今後競合のセキュリティソフトメーカーが出てくるのは必至。先行メリットを生かす意味で、一気に営業展開する必要がある」と話す。

 シーワットは、同社が5年の歳月と約20億円を投じて開発してきた同社のセキュリティ事業の中核商品に位置づけられるソフトで、2003年9月に発売した。約40社の販売パートナーを通じて、これまで大手企業を中心に約100社に納入した実績を持つ。同ソフトの販売を中核とした昨年度(04年6月期)のセキュリティ事業の売り上げは約9億円で、今年度は日本国内の販売のみで約23億円を見込んでいる。外部からの持込パソコンの検出や、パソコンからの外部メディアへのコピー防止、セキュリティポリシーに反した動作をするパソコンの検出、ログ管理などがその主な機能となっている。
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