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MOTEX 「ランスコープ」次期製品に合わせ 営業体制をさらに強化

2004/10/25 21:11

週刊BCN 2004年10月25日vol.1061掲載

 エムオーテックス(MOTEX、高木哲男社長)は、2005年初めに予定しているネットワーク・セキュリティ管理ツール「LanScope(ランスコープ)」の次期製品投入に合わせ、営業体制を見直す。取り扱い店の増強を図るほか、製品や市場の動向を分析する営業企画系のスタッフを整備していく方針。

 ネットワーク・セキュリティ管理ツール市場は、来春の個人情報保護法施行を背景に急拡大を続けている。一方で、導入が進めばウイルス対策ソフト同様に顧客の囲い込み競争が展開される可能性がある。営業体制の見直しで、顧客の動向を把握し、同市場でのプレゼンスを高めていく考えだ。

 現在のネットワーク・セキュリティ管理ツール市場は、個人情報保護法施行に対応するため、クライアントパソコンの操作履歴を一元管理したいというニーズが中心で、これまでネットワーク・セキュリティ管理をあまり手掛けていなかったユーザーも多い。このため、同社では9月に「ランスコープCat3 Ver3400」を発売し、当面のニーズに応えることとした。

 その半面、従来からクライアントパソコンの管理などを行っている企業にとっては、膨大なログ(情報の記録)を、より効率的に処理したいというニーズも生まれている。来年初めに投入を予定している次期製品「ランスコープCat5」は、こうしたニーズに対応したもの。ログのデータ収集ではなく、ログ管理の見せ方に比重を置き、通常とは異なる操作などが検知された場合に、問題の所在を管理者に知らせ、効率的な管理を行える。

 Cat5投入で、営業手法も変わるため、従来の営業体制を見直す。販売では、主要な1次販売代理店の構成は変えないものの、その先にある取り扱い店の増強を図る。従来、顧客に最も近い取り扱い店との関係は明確でなかったが、今後は契約関係なども整備するとともに、地域に根差した取り扱い店とのパートナーシップを強め「ランスコープ」のブランドをより浸透させる考え。

 一方、エムオーテックス本体の営業体制についても、ユーザーニーズや市場動向の調査・分析を行える企画系部隊を整備する。ネットワーク・セキュリティ管理ツールの第1次の導入が一巡すると、早ければ06年度にも市場は買い替えニーズを中心に変質する可能性がある。顧客の囲い込みが重要課題となるため、製品優先の開発からシステムの運用面といった市場ニーズ優先の開発に迅速に着手できる基盤作りを進める。

 取り扱い店との関係強化、市場動向分析など営業企画体制整備の両面からランスコープのブランド浸透を図り、ネットワーク・セキュリティ管理ツール市場でのプレゼンスを高める考えだ。
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