大阪府は、昨年3月にまとめたIT施策の基本となる「大阪府IT推進プラン」の一部見直しに着手した。継続的な取り組みについては、2005年度に実施する具体的スケジュールを示す一方、新たに「PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)改革の推進」などのテーマを盛り込み、ITを活用して府民が享受できる利便性の一層の向上を図る考え。今月末をめどに、それぞれの実施主体となる部署で詳細を取りまとめ、4月以降に順次執行していく計画だ。

 大阪府IT推進プランは、電子府庁の実現を目指す「e-ふちょう」プランと大阪圏再生を目指す「e-やんか大阪」の視点を踏まえ、04年3月に策定した3か年計画。「府民本意のe社会の推進」、「筋肉質な『e-ふちょう』の実現」、「府の枠を越えた新たな関係の構築」を目標として、ITの利便性を実感できる社会を構築していくこととしている。

 今回、新たに加えるテーマは、ITによりもたらされた行政改革とその効率性を府民の側からも実感できるサービスとして展開していくこと。これを行政や民間の多様なセクターの協力・連携の観点からアプローチするため「PPP改革の推進」と位置づけ、「新府民サービス部会」を設けたうえで、検討を開始する。具体的には、①公金決済用カードの導入、②GIS(地理情報システム)-ASPの展開、③電子契約の導入――の3つが対象。

 公金決済用カードの導入は、01年から開始した電子申請が04年末に10万件を超えるなど、利用者の利便性向上が進む一方で、申請料金や施設利用料金などの決済が依然として現金納付や口座振替などに限定されていることに対応する。大阪府は、政府の構造改革特区に対する提案として、04年に「クレジットカードによる手数料等の納付容認」、「チャージャブル方式の電子証紙による手数料等の納付容認」を求めている。「政府による法令などの整備状況を見極める必要があるものの、府および府内市町村の手数料や使用料を決済できるマルチペイメントカードの活用も含め、独自方式の検討を進めたい」(総務部行政改革室IT推進課)としている。

 GIS-ASPの展開は、府が保有するGISデータを府立のIDC(インターネットデータセンター)に集め、府内市町村が独自に持つ生活情報などのデータと連動させ、住民サービスに生かせるようにする内容。4月から一部の利用を可能にするほか、府内のニーズに即した統合型GISの構築を進めていく考えだ。

 一方、継続的テーマでは、電子申請の拡充として、今年1月から可能になった電子署名付与に関連したものを中心に05年度中に新たに200手続きの電子化を行うほか、基盤整備を行ってきた施策について個別分野への展開を図る。また、行政改革の一環として、行政経営の支援ツール整備も具体的な検討段階に入る計画。04年度に民間企業なども含めたIT活用の経営改革手法の基礎調査を行っており、「これまでに実現してきた情報の共有化をさらに前進させるため、データの可視化について具体的検討を進める」(同)ことにしている。