【ソウル発】 液晶(LCD)テレビとプラズマディスプレイ(PDP)テレビに押され生産量が縮小されたブラウン管テレビだが、ここにきて登場した新製品が話題を集めている。三星電子とLG電子は32インチスリム型ブラウン管テレビの新製品を相次いで発売し、熾烈な主導権争いを繰り広げている。

 スリム型ブラウン管テレビは既存製品に比べ厚さを大幅に薄くした新しいコンセプトのブラウン管テレビだ。最近発売された32インチモデルの場合、製品全体の厚さは39センチで、既存ブラウン管テレビの60センチに比べ3分の2まで薄くなった。

 ブラウン管テレビはLCDやPDPテレビに比べて画面が明るくきれいで、値段も手頃なところが長所だが、重くて厚く省スペースとはほど遠い製品だった。しかし弱点と指摘されていた厚さが画期的に薄くなってから、デジタルテレビ市場の構造までも変えてしまうのではないかと期待されている。

 スリム型ブラウン管テレビは発売と同時に予約が殺到する人気ぶり。値段も149万ウォン(約14万9000円)と同じ大きさのLCDテレビに比べ100万ウォン(約10万円)も安いうえ、LCDやPDPテレビより優れた高画質映像を再現したため、「ちゃっかり派消費者」たちの注目の的になっている。3-4月は韓国のブライダルシーズンであるため新婚家庭用に家電の需要が増える季節でもある。

 三星電子は2月中旬から本格的に大量販売を実施し、10日間で3000台以上も販売した。三星電子の関係者によると、「ブラウン管テレビとしては今までにない売れ行き」だそうだ。LG電子は正確な販売台数を公開しなかったが、三星電子より発売が遅れたため少し下回っているとみられている。

 家電売り場ではスリム型ブラウン管テレビに関する問い合わせが相次ぎ、生産が需要に追いつかない状況。どの販売店でも予約から1週間は待たないと手に入らないといわれるほどだ。三星電子、LG電子ともに4月から月1万台に生産を増やす計画である。三星電子とLG電子はスリム型ブラウン管テレビが今年家電市場の最大ヒットアイテムになるだろうと期待している。

 両社はスリム型ブラウン管テレビでの海外市場攻略にも積極的だ。LG電子は1月末にインドで21インチスーパースリムテレビを発売し、三星電子も「スリムフィット(SlimFit)」というブランドで米国市場を攻略している。

 三星電子とLG電子のスリム型ブラウン管テレビ競争が本格化したことで、ブラウン管メーカーの競争も注目されている。三星電子は三星SDIが開発したビッグスリムブラウン管を使用し、LG電子はLPD(LGフィリップス・ディスプレイズ)が開発したスーパースリムブラウン管を使っている。
鄭載学(ジョン・ジェハク=BCNソウル特約記者)