中堅システムインテグレータのアイネット(池田典義社長)は、中国市場に進出する。第1弾製品として、来年度(2006年3月期)第1四半期中に自社開発の顧客情報管理システム「顧客工房」の中国語版の現地販売をスタートする。その後、フロントオフィス関連製品を中心に、既存の自社開発パッケージソフトを中国語化し投入していく計画。これまで開発拠点としてしか活用してこなかった中国で、販売事業に乗り出す。

 中国市場での販売は、上海啓明企業発展有限公司(上海市、呉偉総経理)との合弁会社で、アイネットが14%出資する上海啓明聯和計算機技術有限公司(上海市、呉偉総経理)が指揮を執る。まずは合弁会社の直販だけで営業展開していく方針で、「営業しているなかでニーズがあれば、間接販売も手がけていく」(高宮靖・企画本部経営企画部部長)としており、販売パートナーを現地で募ることも視野に入れていくという。

 アイネットは、約10年前から開発コスト削減のために、中国のソフト開発会社と提携してオフショア開発を始めた。上海啓明聯和計算機技術も04年6月の設立から開発拠点として活用しており、これまで現地での営業展開は行っていなかった。今回決定した「顧客工房」の販売事業が、アイネットの中国市場をターゲットとしたビジネスの第1弾となる。

 顧客工房は、顧客情報を管理・分析し、情報を共有することで顧客満足度向上や新規顧客の開拓に役立てる情報システム。日本市場では、同ソフトの機能をASP(アプリケーションの期間貸し)サービスとしても提供している。高宮部長は、「新市場で基幹系の情報システムから参入することは敷居が高く容易なことではない。フロント系のパッケージの方が入りやすいと判断した」と、第1弾製品に顧客工房を選んだ理由を説明している。現在中国語化を進めており、来年度(06年3月期)の第1四半期中には投入する計画だ。

 アイネットでは、顧客工房販売後も、日本で販売しているパッケージソフトを中国語化して販売する計画を立てている。具体的な投入製品や時期などの詳細は今後詰めるが、「これから投入するソフトに関しても、フロントオフィス系ソリューションを念頭に置いている」(高宮部長)という。アイネットが日本市場で販売しているフロントオフィス系パッケージとしては、アルバイト勤怠管理システム「バイトマスター」や、グループウェア「デスクネッツ」などがある。

 アイネットの海外ビジネスは、すでに台湾市場で始めており、現地の消費者金融業向けに総合融資システム「ローンレンジャー」を販売、3社に導入した実績がある。