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三星電子 色弱のための液晶モニタ開発 世界最高の明暗比1500:1を実現

2005/03/28 21:35

週刊BCN 2005年03月28日vol.1082掲載

【ソウル発】三星電子は、新しい概念のモニタとして、色弱でもユーザーが特別な装置を付ける必要がなく鮮やかなマルチメディアコンテンツを楽しめるカラー補正機能「マジックビジョン」を搭載した「シンクマスター730C」、「シンクマスター930C」を今年上期中に発売すると発表した。色弱の場合、色調は感じるがはっきりと区別するためにより強い刺激が必要だった。

 マジックビジョンは、モニタが表す赤・緑・青を各10レベルに分けて色弱の人が自分の色調敏感度に合わせ最適な組み合せを作れるようになっている。ボタン1つで最適化して保存した設定を呼び出せるので、色弱ではないユーザーと1台のモニタで一緒に使える。

 また、世界最高のコントラスト比1500:1と業界最高水準の6ミリ秒の応答速度、人体工学に基づいた3ヒンジのスタンドを取り付けたプレミアムモニタ「シンクマスター750P」も開発した。

 3ヒンジスタンド方式は高さ調節機能を大きく改善し、ユーザーの利便性を高めている。外装カラーはシルバー、レッド、ブルー、ブラックの4色。世界最高速応答速度4ミリ秒台を実現したモニタ「シンクマスター930B」も早期に発売する予定になっている。

 オンラインゲームユーザーの多い韓国では、TFT液晶モニタではゲームや動画を十分楽しめないという声もあり、液晶モニタの購入をためらうユーザーが多かった。プレミアムモニタが発売されれば大型液晶モニター需要が増加すると見込まれている。

 三星電子は2001年8月に40インチ、02年10月には46インチ、03年12月に57インチ液晶パネルを世界で初めて開発し、このほど世界最大82インチTFT液晶パネルも開発したばかり。TFT液晶は三星電子とLGフィリップスLCDが世界市場で40%以上のシェアを確保しており、両社の競争が激しくなっている。

 82インチのフルHD級TFT液晶製品は三星電子が独自開発した超広視野角特許技術であるS-PVA(Super Patterned-ITO Vertical Alignment)、低散乱カラーフィルター技術、コントラスト比1200:1以上で応答速度も8ミリ秒以下水準で動画表現力を飛躍的に高めた。

 三星電子は、世界最高画質モニタを生産する世界ナンバーワンの液晶モニタ企業を自負している。今後、三星電子はデジタルテレビにも4世代高画質システム「DNIe(デジタルナチュラルイメージエンジン)」を搭載し、色弱ユーザーのためのカラー補正機能を強化する計画を立てている。
趙章恩(チョウ・チャンウン=ITジャーナリスト)
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