【ソウル発】KTの「エントピア」、DACOMの「光LAN」、HANARO(ハナロ)テレコムの「HANAFOS光LAN」といったマンション向け光LAN商品が着実に加入者を広げている。マンションの地下にあるマンション通信室(MDF)まで光ケーブルを設置し、各家庭まではLANでつなげることで100Mbpsに近い伝送速度を実現。同じ値段でVDSL(最大13Mbps)より早い回線が使えるため、「類似FTTH」ともいわれている。KTのエントピアは月額3万6000ウォン(約3600円)、DACOM光LAN3年契約商品は同2万6400ウォン(約2640円)と、ADSLの平均料金に比べても月2000ウォン程度低額なのが特徴だ。

 マンション向け光LAN加入者は広がっているものの、このサービスは誰でも加入できる商品ではなく、広告もあまりされていない。サービス地域はソウルを中心とした大都市に限られ、工事費用の負担はもちろんマンション内の住人だ。また、1つのマンションである程度の加入者が集まらないと工事をしてもらえない。

 しかも、ADSLシェア1位のKTはインターネットを使った分だけ課金する「インターネット従量制」を2007年から開始する計画で、光LANに力を入れずDACOMに対抗する程度の商品としか考えていないことが普及の妨げとなっている。

 2005年2月末現在、光LAN加入者はKTが52万3122人で1位、ハナロテレコムが16万9916人、DACOMが4万5000人を集めた。しかし月別純増加数では、値段が安いDACOMが約1万4000人ずつ増え1位となっている。

 KTは「DACOMは光LANしかないが、KTはVDSLとエントピアを全国的に普及させている。そのためVDSLでも十分動画などを楽しめる品質を維持している。光LANのエントピアは新規マンションを中心に今年10万世帯だけ募集する」と主力商品にはしない計画で、むしろ既存マンションに対する「超高速情報通信建物認証制度」を利用し、構内網高度化で「DACOM光LAN」に対応する戦略を考えている。

 ハナロテレコムも既存顧客がDACOMに流れないよう、「HANAFOS光LAN」の販促よりは既存商品の高品質化に力を入れている。

 一方、DACOMはどこよりも安く早い光LANを積極的にアピールしているが、莫大な投資額のため大々的な広告やマーケティングよりはマンション団地に出向いて入居者代表を集めて説明会を開き、地道に加入者を募集している。

 韓国の情報化を先導するはずのKTが自社の利益のためFTTH導入に消極的なことに対し、情報通信部は改善を要求しているが、一向に受け入れる気配はない。

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超高速情報通信建物認証制度

 建築業社が申請し建物の構内情報通信設備を情報通信部が審査して認証マークを与える制度。90年代後半から大型新築建物にだけ適用されていたが、今年から既存マンションと小型共同住宅にまで適用される。

 50世帯以上の共同住宅や業務用建物にFTTHが提供されていれば特等級、マンション通信室(MDF)まで光ケーブルが通りFTTC(Fiber to the Curb)を支援していれば1、2等級になる。特等級認証制度が始まった04年1月以降、新築建物の場合で現代建設が71件、三星物産が344件の特等級正式認証を獲得した。

 超高速情報通信建物認証委員会は「2010年まで1000万加入者にBcN(広帯域統合網)サービスを提供するため既築住居建物の構内通信設備を至急改善しないといけない」とし、「既築建物に対する認証制度導入ガイドライン、設備関係の資格証制度を定める」と発表した。
趙章恩(チョウ・チャンウン=ITジャーナリスト)