「利用領域は拡大している」──20クライアント以上の中堅企業ユーザーが増加傾向にある応研の上野眞宏・取締役開発部長は、FTサーバー(富士通の呼称は「FTモデル」)を自社の業務ソフトウェアと組み合わせるメリットをこう指摘する。「会計業務だけでなく、販売、給与など集計業務中にシステムを『絶対止めたくない』ニーズが高まった。ユーザー企業からメーカー指定がなければ、FTサーバー(モデル)は勧めやすい商材だ」(同)と話す。

基幹系だけでなく、用途は多様

 インテグレーションが必要なERP(統合基幹業務システム)を安定稼動させるためには、クラスタシステムを組み合わせる例が大多数。だが、応研などERPパッケージベンダーでは、クラスタ形式だと値が張るため、販売実績はゼロに近い。「サーバーメーカーの努力で対象レンジが下がり、価格面でクラスタを利用できない応研などISV(独立系ソフトベンダー)のユーザー企業の対象レンジが上がり、ニーズがちょうど合致して、FTサーバー(モデル)がボリュームゾーンで売れる見込みが出た」(マイクロソフトの藤本浩司・サーバープラットフォームビジネス本部WindowsServer製品部マネージャ)と、需要拡大を期待する。

 マイクロソフトでは、デジタル情報を制御・保護する「ウィンドウズ・ライツ・マネージメント・サービス(RMS)」ソリューションなど、「認証機能を2重化するニーズは確実に増えている」(藤本マネージャ)という。その際にFTサーバー(モデル)と組み合わせた提案がしやすくなると予測する。

 FTサーバーで先行したNECでは、導入事例が積み上げられている。その事例を見ても、利用領域が多様であることが分かる。海運大手の商船三井客船では、船上管理システムに「エクスプレス/ftサーバ」を、丸大食品でも仕入れ・入出庫・在庫管理システムに同サーバを導入するなど、特定用途にFTサーバーが採用されている。「ある特定期間に処理が集中する時のどうしても止められないシステムでFTサーバーが使われている。そういう意味で、ターゲットとする業種・業態を絞り込めない」(本永実・クライアント・サーバ販売推進本部商品マーケティンググループマネージャー)と、幅広い利用を想定している。

 FTサーバー(モデル)は、いわゆる「ダウンタイム」にシビアな企業へ拡販が見込める商材といえる。マイクロソフトの藤本マネージャは、「痛い目にあった企業は、FTサーバー(モデル)を選択するだろう」と、クラスタシステムでシステム障害の憂き目にあった企業では、特に需要が大きいと見る。

 大塚商会では昨年、NEC製のFTサーバーを月ベースで100台程度販売した。「正直、もう少し多く売れると思った」(担当者)という。今年は富士通の参入により、FTサーバー(モデル)市場への認知が高まり、確実にこの数値を上回れると期待する。