【ソウル発】パソコンから発信用にしか利用できなかった韓国のIP電話で、7月から双方向利用が解禁される。日本と同じようにIP電話からの発信、受信が自由に行えるようになる。通話料金は全国均一3分40-50ウォン(約4-5円)と固定電話の一般市内電話料金39ウォンより若干高い。国際電話は固定電話より70-90%は安くなる見込みだ。

 IP電話利用料金は、市場拡大を希望する新規参入組の事業者と既存電話市場の縮小を懸念するKT(韓国テレコム)、ハナロテレコムなどの大手通信事業者の間で利害関係が衝突し、この数か月間、事業開始のための政府や民間企業の間の交渉が難航していた。

 新しいIP電話の識別番号は070+局番4ケタ+一連番号4ケタになる。番号は海外にいても引越しをしてもそのまま使えることになっている。電話機はパソコンに接続して使用する「GOODフォン」、とインターネットに接続できる回線さえあれば利用できる「IPフォン」の2種類。「GOODフォン」はパソコンの電源が入っていないと使えない。

 固定電話網を握っているKTや市外電話のハナロテレコム、DACOMなど8社の大手通信事業者もIP電話を本格的に始める計画で、IP電話市場を取り巻く通信事業者のシェア争奪戦が激化する見込みである。大手の場合はこれから情報通信部の事業許可を得て電話番号を取得するなどの手続きを始めるので、新規参入事業者より2-3か月ほど遅れてサービスを開始することになりそうだ。

 一方、エニユーザーネットや三星ネットワークスなどIP電話の専門事業者は、KTやハナロテレコムなど基幹通信事業者と固定電話網接続など事前に必要なインフラ整備の作業を6月末まですべて整え、料金などがまとまり次第サービスを開始する。エニユーザーネットは、5月中旬にKTなど基幹通信事業者との既存の回線網接続を完了し、三星ネットワークスもいつでもサービスが開始できるようにしている。

 KTとハナロテレコムは、IP電話と競争するため通話料金を3分70-80ウォンから50ウォンに大幅値下げしている。KTは「IP電話は市外料金というものがないので、KTの市内電話料金よりは高く料金設定されるべき」と強く主張している。

 IP電話を利用すると単純な音声通話だけではなく、テレビ通話サービス、電話機の液晶から流れる情報提供サービス、多者間通話サービスなど多様な付加サービスも利用できるので、ブロードバンドに続いて情報通信技術の革新を実感できるステップになると期待されている。
趙章恩(チョウ・チャンウン=ITジャーナリスト)