シマンテック(杉山隆弘社長)は、情報セキュリティマネジメントサービスの強化に乗り出す。インターネットデータセンター(IDC)設備を持つ事業者と業務提携し、24時間体制の遠隔監視サービスやセキュリティ関連のアウトソーシングのサービスメニューの拡充を進める。今年度(2006年3月期)末までに5-10社のIDC事業者と提携し、サービスは主に販売パートナーなどを経由して提供する。

 情報セキュリティは、24時間体制で安全性を確保することが求められているが、コストとの兼ね合いなどから実現されていないケースが多い。特に中堅・中小企業では情報セキュリティが大手企業に比べて弱いと指摘されている。これを受けてシマンテックでは、IDC設備を持つ事業者との提携を強化し、24時間体制で情報セキュリティマネジメントサービスを提供できる体制を強化する。

 シマンテックは、北米と欧州、豪州で直営のセキュリティマネジメントサービスを提供する「シマンテックセキュリティオペレーションセンター」を開設しているが、国内ではこうした施設をもっていない。すでに数社のIDCと提携して同センターに準じたマネジメントサービスの一部を国内向けに提供しているが、今年度末までに提携社数を5-10社に増やし、サービスメニューの拡充を図る。

 提携先のIDCと共同で提供するセキュリティマネジメントサービスは、全国の販売パートナー経由での販売も行う。パッケージ化されたセキュリティ商材を販売するだけでは「十分な利益が得られない」(販売パートナー関係者)という声が一部からあがっており、月額ベースの安定した収益が見込めるセキュリティマネジメントサービスの商材を増やすことで、販売パートナーの収益率向上にも「役立つ」(野々下幸治・法人営業事業部エグゼクティブシステムエンジニア)ようにする。

 シマンテックでは世界各地から収集したリスク情報を分析し、有料コンテンツとして販売している。こうしたコンテンツをベースとしたセキュリティコンサルティングサービスの拡充や、今回の24時間体制の質の高いセキュリティマネジメントサービスなど付加価値の高いサービスメニューを増やすことで、販売パートナーの収益拡大に貢献する考えだ。

 すでに一部の先進的な販売パートナーのなかでは、パッケージ化されたセキュリティ製品のライセンス販売、ハードウェア販売の売買差益の比率が「急速に低下している」(大岩憲三・執行役員副社長エンタープライズ事業統括)と、コンサルティングやマネジメントサービスなど、より付加価値の高いサービスへの移行が進んでいるという。

 7月8日から販売を始める大型商材「シマンテッククライアントセキュリティ」の営業活動を6月から全国の主要な販売パートナー約500社を対象に行っており、このなかでもコンサルティングやセキュリティマネジメントを組み合わせた複合的なサービスの有用性を訴えていく。粗利率の高いサービスやストックビジネスを販売パートナーにワンストップで提案することで自社製品・サービスのシェア拡大に努める。