【ソウル発】韓国・ソウルのCOEX展示場で6月9-11日の3日間、情報通信部と情報通信研究振興院(IITA)が主催する「ITテクノマート2005」が開催された。今年で7回目となるITテクノマート2005では133の企業や研究所、大学が参加し、256のIT技術が展示された。今年はユビキタスをテーマにした技術が多く、次世代パソコン、ユビキタス電子ペン、電子波を高効率電池に変換する応用技術、遠隔で携帯電話を受信できるイヤホン、DMB(モバイル衛星放送)、PON(パッシブ光ネットワーク)、RFID(無線タグ)、次世代3D(3次元)ディスプレイ、ロボットなどの技術が注目された。

 ITテクノマートは、韓国のIT市場で成長の原動力となる政府と大学の研究機関の研究成果と優れた技術を展示し、技術の需要と供給をつなげる技術取引の場となっている。技術取引とシステムの商用化を支援し、公共の研究機関から産業界への技術移転を促進し、技術取引市場の活性化を図るための展示というところが他の展示会と大きく異なる点だ。

 科学技術の投資を国家技術の競争力向上と新産業創出につなげるためには、研究開発された技術が産業界で利用され事業化されなければならない。情報通信分野の場合、技術の寿命が短いため、研究開発から技術移転、産業化につながる一連の過程が速かに連携されなければならない。特にITインフラと世界有数のインターネット網で注目されている韓国だが、IT分野の研究開発と事業化への投資はまだ不十分である。研究ばかりで商品として売り出されるものは少ないということだ。

 韓国政府の研究開発事業のなかで、技術移転および事業化関連投資はR&D(研究・開発)投資総額の1%。また、情報通信部、産業資源部、科学技術部事業の技術開発成果の平均事業化率は21%に過ぎない。だが事業化率は「ITテクノマート」が開催されるようになってから毎年上昇している。

 ITテクノマートでは1999年から04年まで503機関が1055件の技術を展示し、4952件の技術相談と84件の技術移転に成功している。技術料収入も13億ウォン(約1億3000万円)に達する。

 今年は、技術移転やライセンシング、M&A(企業の合併・買収)、技術協力、OEM(相手先ブランドによる生産)など多様な技術交流活動も支援し、大学のIT研究センターの技術を活用できるように紹介する説明会も特別に開いた。
趙章恩(チョウ・チャンウン=ITジャーナリスト)