中国社会科学院は7月7日、「2005年中国5都市のインターネット使用状況と影響についての調査報告」を発表した。1億人を超えるといわれる中国のインターネットユーザーは、通信手段としてより娯楽としてインターネットを使用する傾向にあり、ネット上の情報を信用できると考えている人は約半数だった。

 調査の対象となったのは、北京市、上海市、広東省・広州市、四川省・成都市、湖南省・長沙市。調査は1月下旬から3月初旬にかけて行われ、サンプル数は2376。そのうち、インターネット使用者は1169人だった。

 インターネットの役割について、「情報収集の主な手段」とした人は全体の79%と最も多く、「ニュースメディア」とした人は55.1%。また、インターネットユーザーのうち、電子メールを使用していると答えた人は63%にとどまった。社会科学院も、「電子メールの普及が低いことが中国の特徴」としており、インターネットが、通信手段はなく情報収集の手段として捉えられていることが分かる。

 中国ではユーザー1人あたり1.5個のメールアドレスを所有しており、そのうち1.4個が無料のアドレスとなっている。1週間あたりのメールの受信件数は1人あたり12.3通で、そのうちスパムメールが7.9通を占めている。

 インターネットで実際することとしては、「ニュースの閲覧」が65.9%と最も多く、「一般的なサイトの閲覧」が続いた。また、頻繁にオンラインゲームで遊ぶと答えた人は62.2%で、頻繁に音楽をダウンロードすると答えた人は56.6%、頻繁にエンターテインメント情報をダウンロードすると答えた人は53.5%だった。これらの数字から、娯楽目的での使用が多いことが明らかになった。

 よく訪れるサイトについては、中国語版のポータルサイトに回答が集中。首位は新浪網(SINA)で、第2位を大きく引き離して30.9%。以下、捜狐(SOHU)、網易(NETEASE)、百度、ヤフーと続いた。

 主に使用するメディアとしては、「テレビ」と答えた人は97%と圧倒的に多く、「インターネット」と答えた人は49%にとどまった。一方、メディアを使用する時間については、インターネットがテレビや書籍、新聞を大きく上回り、1日あたり2.73時間。続くテレビは1.29時間だった。

 使用目的で最も多いのは「ニュースの閲覧」であり、特に娯楽関係のニュースを閲覧する人の割合が多い。しかし、ニュースメディアとしてユーザーが最も信用しているのは「中央テレビ」(CCTV)で、次が新聞、インターネット上のニュースはその次だった。

 情報の信憑性については、インターネット上の情報を「信用できる」とした人は48%で、「信用できない」とした人の割合は少ない。これは、韓国では70%が「信用できる」と答えているのに比べれば低い数値だが、「信用できる」と答えた割合がわずか13%という日本に比べれば、中国ではニュースに対する信用は高い水準にあるといえる。

 ユーザー層では、16-24歳のうち90%近い人が「インターネットをしたことがある」と答えており、学生では80%にのぼる。一方、レイオフ者や未就職者では低い数値になった。同時に、若者のネット依存症問題が深刻になっており、北京では専門の診療所を開設している。

 インターネット経験年数は、大部分のユーザーが「5年以下」と答えており、ここ数年で急激に普及したことがうかがえる。03年のデータと比較すると、自宅や職場でインターネットを使用する人の割合が増えている。

 また、「インターネットを通して政府を批判することの是非」については、賛成とした人は少数だった。

 なお、中国ネットワークインフォメーションセンター(CNNIC)によると、中国のインターネットユーザー数は1億人を超えており、米国に次いで世界第2位となっている。(サーチナ・齋藤浩一)