デジタルハリウッド(藤本真佐社長、杉山知之学校長)は、来年度(2007年3月期)中をめどに、同校で学ぶ学生の起業支援を目的とした基金を設立する。名称は未定。複数のスポンサー企業などから資金を集め、「最低でも2-3億円規模」(藤本社長)の基金にする予定だ。

 同社が運営する大学院・大学ではアントレプレナー(起業家)やディレクターなどの人材育成に取り組み、スクールではデザイナーやエンジニアなどの人材育成に力を入れている。アントレプレナーと、その事業を成功させるために欠かせないデザイナーやエンジニアの両方の人材を育成することで、より円滑な起業を支援している。今回設立予定の基金は、こうした学生たちの起業を資金面で支援するものだ。

 デジタルハリウッドの学生の中には、インターネット出版やCG(コンピュータグラフィックス)を使ったDVDコンテンツの制作などで一定の成果を出した事例が多数出ている。CGで制作したDVDが約35万枚売れた成功事例もある。デジタルハリウッドではこうした起業活動の一部に、昨年度(05年3月期)から数百万円単位の小規模な出資を行ってきたが、「スポンサー企業からの反応も良い」(同)ことから本格的な基金の設立に踏み切る。

 来年4月、デジタルハリウッド大学は、東京・八王子市に八王子キャンパスを開設する。廃校になった小学校を借用する予定で、主にコンテンツなどの制作スタジオとして活用する。自然豊かな多摩ニュータウンに立地し、敷地内には運動場やプールもあるため「映画などのロケ地として最適」(同)と、コンテンツ制作の拠点にする。

 大学、スクールなどの学校事業で人材を育成し、起業に向けた基金設立で資金面での支援を充実。さらに、八王子キャンパスの開設などインフラ整備を進めることで、ビジネスに必要な「ヒト、モノ、カネ」(同)の強化を進める。学校事業では、専門分野の技能習得に加え、コミュニケーション能力の開発を重視し、人と人とが連携し、より大きなビジネスを展開できる基礎づくりに力を入れる。

 今年度(06年3月期)のデジタルハリウッドの連結売上高は、学生数の増加などにより前年度比約33%増の40億円を見込む。教材に使うコンピュータの価格が安くなったことや、インターネットの普及で広告宣伝費が抑えられたことなどから、今年度中にはこれまでの投資の累積損失を一掃できる見通し。