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ユニ・チャーム 基幹システムをオープン系に移行 年間1億円以上のコストダウン

2005/09/05 12:36

週刊BCN 2005年09月05日vol.1103掲載

 生活雑貨用品のメーカーであるユニ・チャーム(高原豪久社長)は、基幹系システムを汎用機から日本アイ・ビー・エム(日本IBM)のサーバーiシリーズ(旧AS/400)にダウンサイジング、6月中旬から運用を開始したが、「大きなトラブルもなく稼働、年間では1億円強の運用コスト削減が見込める」(知名俊郎・企画本部情報システム部部長)ことを明らかにした。システムの再構築にはアルプスシステムインテグレーション(ALSI)が全面協力した。

 ユニ・チャームは、99年にIBMの汎用機(9672シリーズ)を導入、「WING(ウィング)」と名付けた物流系、経理系システムなどの運用を図ってきたが、「ハードウェアコストは下がっているものの、OSは大きくなる一方で、ソフトの保守運用経費は下がらない」(知名部長)という現実に直面、「コスト最優先でオープンシステムを導入することにした」という。

 同部長は「約30年間汎用機一筋」でやってきたが、「オープンシステムの信頼性が向上していることは一部先行的に導入した倉庫業務用システムで実感、基幹系システムに全面的に採用しても大丈夫」と判断、ダウンサイジンクに踏み切った。

 ウィングで動いていたプログラムは受注・物流・販売・経理系システムなどコボルベースで4000本弱。「機能的には満足していたので、基本的には新機能の追加などは行わず、iシリーズ用に移植した」という。

 新システムの運用は6月13日に開始したが、「大きなトラブルもなく立ち上がった。画面での表示位置が異なるケースがあるなど、操作面では多少のとまどいを与えそうだったのでマニュアルの改善などでユーザー教育に当たってきたが、もう慣れたという声が大多数になった」そうだ。

 実際の移植作業はALSIに委託した。「ウィングの時も実際の開発と保守運用はALSIに委託したが、特に物流システムについてのノウハウと実務知識は高く評価している」という。

 物流系では「Dプラス1」を合い言葉にしている。これは、「昼までに受注した商品は翌日に客先に届ける」ことを意味しているが、「インターネット経由の受発注処理など一部新規開発した分も含めてうまく機能しており、Dプラス1は完全に軌道に乗った」としている。
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