【ソウル発】ブロードバンドインターネットサービスを提供している韓国の通信事業者が、ユーザーのIP共有を本格的に取り締る動きを見せている。日本と違い韓国のADSLモデムは1回線に1台のパソコンしか接続できないようになっているが、市販のIP共有機を購入すれば、1回線の料金だけで複数のパソコンにつないでインターネットを利用できる。パソコンを2台以上持っている家庭や下宿、寮、小規模オフィスなどで、しばしばこのような使い方をしている。今までは看過されてきたが、これからは全面的に禁止する方針だ。

 IP共有の取り締りに最も熱心なのがKTだ。ブロードバンドインターネット業界1位のKTは、すでに昨年から数回にわたりIP共有機使用禁止の方針を明らかにしてきた。最近はIP共有機を使用しているユーザーに対し、追加料金を徴収する「IP追加端末サービス」という新しい商品を登場させた。IP共有機使用は認めるが、その分追加料金を支払わせるというものだ。

 共有機を使う場合、パソコン2台までは無料だが、3台目からはパソコン1台につき5000ウォン(約500円)を徴収する。当初、2台目から追加使用料を徴収する計画だったが、ユーザーの反発を考慮し3台目からとした。一般家庭で3台以上パソコンを使用することはあまりないので、この料金制の主なターゲットは小規模オフィスになる見込みだ。KTはこのサービス開始にあたって、IP共有機ユーザーを発見できるシステムを開発し、すでにテストを終えている。

 KTの関係者は、「自社調査の結果、家庭加入者の11%、法人加入者の55.1%がIP共有機を使っていると推定している」と話す。500人のユーザーを対象にした標本調査であるため、正確性に疑問は残るものの、特に法人ユーザーの場合、IP共有機使用率は非常に高いことが判明した。

 KT以外の通信事業者の反応も同様だ。ブロードバンドインターネットサービス業界2位のハナロテレコムの場合、KTと違いIP共有機使用を無制限許容してきた。しかし現在は、社内でIP共有機追加料金に関する議論が始まった様子だ。早ければ10月にもKTと同じようなIP共有機使用料金を別途徴収する可能性が高まっている。

 最近、ブロードバンド市場に新しく参入したパワーコムも、IP共有機使用を許さない方針を明らかにした。まだ具体的な取り締まり計画は持っていないが、来年上半期中にIP共有機関連商品を発表する計画だ。

 通信事業者が相次いでIP共有機取り締まりと追加料金徴収に乗り出したのは、IP共有機使用により回線に過負荷がかかってしまい、正常な加入者が被害を受けているという認識があるからだ。

 しかし、こうした動きに対する反発も激しい。中小企業と市民団体はIP共有機使用に対する追加料金徴収が企業の法外な利潤追求であると主張して反発している。また、共有機使用取り締まりシステムの性能や正確性にも関心が集まっている。一部の共有機メーカーでは、KTの共有機摘発システムに対抗できる新しい共有機を開発しているという噂が出るほど過熱している。
鄭載学(ジョン・ジェハク=BCNソウル特約記者)