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日本ストラタス 第3世代ftサーバーの新製品発表会開催 米から幹部来日開発方針など明かす

2005/10/24 12:40

週刊BCN 2005年10月24日vol.1110掲載

日本は30%以上の売上げ比率に

 日本ストラタステクノロジー(長井正利社長)は、9月にプレス発表した無停止型サーバ「ftサーバー4300/4600」の新製品発表セミナーを10月7日に開催したが、講師として来日した開発部門の責任者であるアラン・L.ジェニングス・シニアバイスプレジデントは、「インテルの最新チップの採用、I/Oまわりのスピードアップ、ソフトのオンラインアップグレードなど、まさに第3世代と呼ぶにふさわしい機能を盛り込むことができた」と語った。

 ストラタステクノロジーは1980年の創業以来、「無停止型コンピュータシステムのパイオニアとして活躍してきた」(アラン・シニアバイスプレジデント)企業。日本には99年に進出したが、チャネル開発担当のチャンフー・リン・ディレクターによれば、「日本はワールドワイドの売り上げのなかで30%を超える比率となっており、伸び率も高い」という。

 アラン・シニアバイスプレジデントは、「われわれはファイブナイン(99.999%)という連続可用性を、非常に簡単な運用性で実現、しかも低価格で提供する努力を続けているが、今回の新製品開発に当たっては、3つの点を重視したと」と語る。1つは処理スピードのアップ、1つはソフトのオンラインアップグレード機能、そしてリモートサポート機能の強化。

  「インテルの最新チップEM64T対応プロセッサを採用した。ftサーバー4300に搭載したのはジーオン3.2GHz、4600には同3.6GHzを載せた。また、新世代FT(フォールトトレラント)チップセットも独自開発、PCI-X133MHzにも対応、I/Oの接続性はおよそ8倍早くなった。トータルとして、従来機に比べ2-3倍の高速処理を可能にした」とアラン・シニアバイスプレジデント。

 ソフトのオンラインアップグレードは、アクティブアップグレード機能と呼び、「二重化しているシステムを一時的に切り離し、片側では業務処理を継続しながら、もう一方のオフライン側でソフトウェアのアップグレード作業が行えるようにした。オフライン側からの切替時に1度アプリケーションを停止する必要はあるが、その停止時間は最小化できる。ソフトの更新時に業務を停止して作業やテストを行う必要がなくなるので、待ち望まれていた機能だ」(アラン・シニアバイスプレジデント)という。

 リモートサポート機能は、新たに開発したVTM(バーチャルテクニシャンモジュール)で行う。「サポートに当たり、リモートから起動、停止できるだけでなく、起動中の画面をリモートから見るといった新機能も追加した」(アラン・シニアバイスプレジデント)。

 プロダクトの責任者であるデニー・レーン・ディレクターは、「従来は4つのコンポーネントで組み立てていたが、新製品ではI/OエンクロージャとCPUエンクロージャを1つに合体させ、2つのコンポーネントにまとめた。製造コストの削減に結びついており、機能は大幅にアップしているにもかかわらず、販売価格は従来機よりちょっと高いくらいで提供できるようになった」と補足する。

 なお、日本市場の売上比率が高い点については、「日本のユーザーは性能面でもサポート面でも非常に要求がシビアだが、それにきちんと対応しているからだ。チャネル向けのサポート強化もさらに強化、もっと手離れよく売れる体制づくりを追求していく」(リン・ディレクター)としている。
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