日本アイ・ビー・エム(日本IBM)はこのほど、神奈川県大和市にある研究開発拠点、大和事業所内に携帯電話などデジタル製品の研究開発施設「DCE(デジタル・コンシューマ・エレクトロニクス)イノベーションラボ」をオープンした。自動車やデジタル情報機器メーカーとの共同開発などに生かし、人間中心の設計手法(UCD=ユーザー・センタード・デザイン)を取り入れた製品開発に役立てる。

 DCEイノベーションラボに入ると、数々の携帯電話やキーボード、さらに自動車のコックピットを模したデモ装置などが目に飛び込んでくる。この自動車のデモ装置は、運転者ごとに必要な情報を提供する機能を搭載している。仮想的に設定したドライバーの情報を格納したRFIDカードをかざせば、各種メーターの配置や表示パネルのデザインや色などを、好みに合わせて設定できる。同じ車でも男性が使う場合や女性が運転するときで設定が変わるわけだ。

 また、携帯電話などのデジタル機器もデザインや機能など新機軸を盛り込んだ製品がディスプレイに並ぶ。これらは試作品の展示だけでなく、例えば携帯電話機メーカーの開発者と日本IBMの開発担当者がこの場を使って、新製品の機能検討や評価も行えるようになっている。そのためプレゼンテーションスペースを設け、試作品を実際に使用してもらいUCDの機能などを評価できるようにしてある。

 自動車やデジタルコンシューマ機器の場合、実際に日本IBMが開発するのはさまざまな機能を実現するソフトになるが、ここではセットメーカーとともにUCDを取り入れたデザインの検討を行うことを目的にしている。そのため、DCEイノベーションラボには、UCDのスタッフのオフィススペースが隣接している。

 ちなみに、DCEイノベーションラボのスペースはかつて、パソコン「シンクパッド」の開発セクションがあったところとか。レノボへの事業売却で空いたスペースを有効活用した。