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内田洋行 グループ7社とシステム統合へ 販売情報を共有し営業力強化 デュオで構築し拡販にも弾み

2006/01/09 12:50

週刊BCN 2006年01月09日vol.1120掲載

 内田洋行(向井眞一社長)は、グループ会社7社と販売管理システムを統合、2006年7月をめどに稼働させる。これにより、独自開発の主力ERP(統合基幹業務システム)「スーパーカクテルデュオシリーズ」などのシステム販売を加速する。従来、グループ各社が独自に導入してきた販売管理システムを統合することで、販売効率が格段に向上する見通しだ。

 ERP新製品のスーパーカクテルデュオシリーズを05年8月に発売した内田洋行は、グループの総力をあげて拡販に乗り出している。今回、導入が決まったグループ共通の販売管理システムは、デュオシリーズの拡販に主眼を置いたものだ。デュオシリーズは今年度(06年7月期)までに200システムの受注を見込んでおり、このうち3割は新規顧客が占めるなど引き合いが急増している。06年12月末までには「300-400システムの受注も視野に入れる」(秦輝雄・常務取締役情報システム事業部事業部長)など、拡販に意欲を示す。

 新しく導入する販売管理システムは、スーパーカクテルデュオシリーズをベースとしたもので、顧客情報管理や営業支援システムなどの機能を盛り込む。インターネットを活用したASP(アプリケーションの期間貸し)方式とし、内田洋行本体とグループのSIerなど7社が共通の販売管理システムを使うことで、情報共有を迅速化して営業力の強化を図る。

 現在は、各社独自に販売管理システムを導入しており、定期的に開いているグループ各社との営業会議で顧客や案件情報などの共有を行ってきた。販売管理システムを共通化することで商談の進捗状況などをリアルタイムに把握できるようになる。

 今後は、業種への詳細な対応を進めることでデュオシリーズの拡販を目指す。すでに食品や梱包資材などをターゲットとする業種への大まかな対応は済ませているが、さらに詳細な業種への対応を進める。例えば、食品の中でも、煎餅や漬け物、パンなど食材によって60種類以上の種類に分類し、業種対応のモジュールを増やす。

 このためにはグループの総力を結集して、より詳細な業務情報を広範囲に収集。デュオのモジュール開発に反映させる必要がある。グループ共通の販売管理システムでは、こうした膨大な情報を効率よく共有することで、デュオの業種対応に弾みをつける。

 デュオシリーズはウェブに対応した.NETアーキテクチャーを採用しており、ASPなどオンデマンド型の需要にも対応できる。今回導入するグループ共通の販売管理システムもASP方式を採用するなどデュオの特性を最大限に生かした。ここで得たノウハウは、顧客企業向けのASPサービスの開発にも活用していく計画だ。デュオシリーズは、顧客のハードウェアやソフトウェアを納品するシステムの売り切りが中心だが、今後は月額使用料金方式によるASPサービスを推進することで、収益の安定化を進める。

 共通の販売管理システムは、06年7月をめどに稼働させる方針で、内田洋行の情報システムの運用管理などを手がけるグループ会社のウチダインフォメーションテクノロジー(UIT)が管理する予定だ。内田洋行グループの情報システム関連事業の昨年度(05年7月期)の売上高は約520億円だが、デュオシリーズの拡販が見込めることなどから今年度は約6%増の約550億円を見込む。

販売管理システムを共通化する予定のグループ7社の内訳
ウエダコンピュータシステム/ウチダユニコム/エス・アイ・ユゥ(SiU)/オフィスブレイン/静岡ユーザック/東北ユーザック/日本オフィスメーション
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