【上海発】久しぶりにヤフーチャイナのサイト(http://www.yahoo.com.cn)にアクセスしてみると、いつの間にかフロントページの画面が一気に変わっており、多少Googleに似た感じになっていた。2005年8月に「阿里巴巴」(http://www.alibaba.com)との合併が発表された時に、CEO馬雲氏は、ヤフーチャイナは検索業務中心に切り替え、「百度」(中国の検索大手、http://www.baidu.com)を追い越すことを宣言した。ただし、それを疑問視する声もある。

 ヤフーは99年9月に中国でウェブサイトを開通し、進出を表明した。高い知名度もあり、まもなく中国でも業務が順調に進展したが、すでに機先を制された格好で「捜狐」(sohu.com)、「新浪」(sina.com)、「網易」(163.com)といった3社が先行しており、あまり有利な状況ではなかった。

 03年11月に、ヤフー香港は1.2億ドルで「3721社」を買収。3721社は中国人の漢字使用習慣に合わせた、英字URLでなく漢字による「網絡実名」(IEのアドレスバーに漢字を入力すれば登録先のウェブサイトにつながるサービス)業務を行っていた。一部の人、特に英語が分からない人たちには便利だが、このサービスのクライアントソフトには「ハッカー技術」が使われており、いったんインストールするとなかなかアンインストールできないことからIT業界では悪名が高く、かつて「フーリガンソフトNo.1」とされたことがある。

 こういう事実をヤフーは知らないわけはないだろうが、同社買収の目的は、経営陣のローカライズではないかと考えられている。合併後、3721社のCEOはヤフーチャイナをリードし、一連の活動を展開した。まず、自身の得意な「網絡実名」を強化することだ。

 次のステップとして、04年4月13日に新浪と合弁で作った「C2Cウェブサイト」(www.1pai.com)を開通。04年6月には、ヤフーのサーチエンジン技術「YST」をベースにした検索ポータル「一捜」(www.yisou.com)をデビューさせた。これらを通じてヤフーチャイナは、情報検索、電子メール、インスタントメッセンジャ、中国語インターネットサーフィン(網絡実名)、モバイルアプリケーションなどにおいて、中国市場で重要な地位を占めるようになった。

 しかし、期待された通りの成功は収められなかった一方で、経営、管理上の問題も噴出していたという。結局、ソフトバンクの斡旋で、B2B大手の阿里巴巴と合併することとなり、ヤフーチャイナの全資産に加え新規投入された10億ドルで、ヤフーは新会社の40%の株を持つようになった。

 昨年11月9日、馬氏は北京で記者会見を開き、ヤフーチャイナは従来のポータル業務をやめ、一搜や3721ブランドを使い続けずに、全面的にインターネット検索に切り替えると表明した。

 昨年後半、中国本土を基盤とした中国語サービスというスタンスで差別化している「百度」はナスダックに上場し、今後の更なる発展を狙っている。グーグルも「弱音」を吐かずに、マイクロソフトから李開復博士を採用して中国ビジネスに専念させている。「中国市場に少なくとも三つの強力な検索サービスプロバイダは生き残れる」と馬氏は話しており、グーグル、百度と比較しながら「グーグルは優れた技術を持っているが、百度はローカルな優位性を持っている。我々はヤフーの強大な技術力プラス阿里巴巴のローカルな優位性を手に握っており、結果はどうなるか想像がつくだろう」と話した。

 現在のマーケットシェアは、百度が37.4%、グーグルが32.0%、ヤフー系が19.1%を占めている。検索時間を短縮し多くの中国語ページを収録するために、ヤフーは米国から約2000台のサーバーマシンを中国に搬送したといい、今年中にはこの数は5000台になるともいう。また、ヤフーチャイナの検索業務を支援するために、米国本部には30名のトップ華人科学者からなる研究開発チームをつくった。ヤフーも馬氏本人も現状に満足していないことが明らかではあるが、いつごろ百度やグーグルを追い越すことができるだろうか。
魏鋒(ウェイ・フェン=ACCS上海事務所担当、shanghai@accsjp.or.jp)