富士通(黒川博昭社長)の通信機器国内製造拠点である小山工場(栃木県小山市)は、2005年末の段階で、03年度末(04年3月末)に比べ生産効率を1.8倍に高め、平均的な製造リードタイムの68%削減に成功した。

 同工場では04年4月からトヨタ方式の生産管理システム導入を開始。生産革新が奏功した形となった。05年度末(06年3月末)段階で生産効率2倍(03年度比)、製造リードタイム半減、棚卸在庫半減を目指しており、その目標に近づいたことになる。

 小山工場は、かつてNTT向けの局用交換機をはじめとした通信機器製造の重要拠点だった。現在はネットワーク・バックボーンを構成する光伝送装置や光モジュールなどが主要な製造品目となっている。光モジュール生産のためにクリーンルームも備えており、部品から製品までを一貫生産している。

 こうした体制を効率よく維持するため、需要変動への対応力を強化し、顧客要求に応える生産体制とする必要から04年4月にトヨタ生産方式の導入に踏み切った。

 光伝送装置など通信機器の場合、受注変動が大きいのが生産効率化のネックになる。富士通の北米での事例をみると今年度上期には受注リードタイム5日以内が42%を占めるなど短納期化の要求も半分近くを占めるようになっている。

 同社では“ものの滞留”と“情報の滞留”が生産効率化の障害になっていたことから生産工程での「整流化」「1個流し」「後工程引き取り」をキーワードに生産革新を進めた。従来、製造したユニットを後工程に押し込める生産方式だったが、これを逆に後工程が必要量を引き取りに行く方式に改めた。これにより生産の情報が工程の最後尾から順に前に流れるようになり、所要量に応じた生産体制を組めるようになった。

 小山工場では、今後も生産工程の手直しを続けていく方針で、顧客の要望に応じて短納期で高精度な生産体制を目指すとしている。