【ソウル発】韓国ではICチップを内蔵したスマートカード型電子住民登録証の制度が2008年から開始される。現在の住民登録証には氏名、住所、写真、住民登録番号、指紋、発給した区役所名が記載されているため、紛失すると簡単に住民番号を盗まれて携帯電話やインターネット会員登録に使われることが多かった。一方、新しい住民登録証では重要な個人情報はICチップ内部に保存され、カードには氏名、英文氏名、写真、生年月日、性別、発給番号、発給機関だけが記載される。ICチップには住民登録番号、指紋、住所、インターネットバンキング用の個人認証書、個人パスワード(PIN)、保険証などの情報が記録される。また新住民登録証は電子投票のためのオンライン身分証機能も持っているため、有権者が家庭のPCや公共場所の無人端末などからも投票できるようになる。

 行政自治部は来年までに関連法の改定を終わらせ、08年から3-5年内に全国民の住民登録証を入れ替える計画だ。

 電子住民登録証は本人の選択に応じてカード1枚で住民登録証、出・入国手続き用、運転免許証、福祉カード、クレジットカードなどとしても使えるようにする。

 このようなセキュリティと機能を満たすためには大容量ICチップを使うしかない。そうなるとカードの単価は1枚1万ウォンを上回ると予想され、発給コストの総額は数千億ウォンにのぼる。この費用は、行政自治部と地方自治体がそれぞれ50%ずつ負担する予定だ。ただし、紛失や毀損等で再発給してもらう場合は個人が発給費用の50%を負担することになりそう。

 韓国政府は1995年、住民証を電子住民証にする方針だったが、人権侵害や個人情報流出の危険性があると反対世論が強く、途中であきらめた経緯がある。今回、仕切り直して本格実施することになる。
趙章恩(チョウ・チャンウン=ITジャーナリスト)