企業のデータセキュリティと暗号化製品を提供する米PGP(フィリップ・ダンケルベルガー社長兼CEO)はこのほど、パートナー支援や技術教育などを担う日本PGP(浅井政浩社長)を設立し、日本市場へ本格参入した。これと同時に、販売パートナー2社と技術パートナー5社との提携を発表。今年中には、OEMパートナーとして国内大手メーカーと提携する見込み。

 昨年12月には、デスクトップやメール向けの暗号化製品として、初めて日本語版の製品をリリースしたが、今年中にサーバー向け新製品を出すなど、日本市場の攻略を拡大する。

 PGPの暗号化製品は、世界で3万社に導入されている。日本国内では、英語版を中心に約200社の導入にとどまっているが、個人情報保護法などの施行を受け、「日本でも伝送時や保存時のデータ保護に対する法令遵守に関心が高まっている」(ダンケルベルガー社長兼CEO)と、需要増大を期待している。

 昨年12月に出した日本語版は、デスクトップ別に暗号化を施す「PGP Desktop」、ゲートウェイ電子メールセキュリティ製品である「PGP Universal」のほか、サーバー間のバッチファイル転送などを暗号化する「PGP Command」の3製品。例えば、「PGP Universal」はユーザーに負荷をかけずにメールの暗号化・複合化ができるのが特徴で、「従来は、送信するユーザーが手動で暗号化する必要があった。だが、これをサーバー側で実行でき、簡単に暗号化できる」と、メリットを強調する。

 今夏前には、ERP(統合基幹業務システム)やCRM(顧客情報管理)など、バックエンドのシステムに蓄積された情報をモバイル環境などで利用する際に必要な暗号化製品の日本語版を新たに売り出す計画だ。

 日本法人の立ち上げと同時に提携したパートナーは、PGP製品をSIerや企業への流通・卸を担当する「販売パートナー」として、これまで販売代理店を務めてきた日本システムディベロップメントと、マクニカネットワークスの2社。自社製品とPGP製品を組み合わせて販売する「技術パートナー」としては、クリアスウィフト、ミラポイントジャパン、センドメール、アイアンポートシステムズ、サイファートラストの5社と提携した。

 両パートナーは、企業規模別、業種業態別にさらに拡大するほか、新たに「OEMパートナー」2─3社と年内に契約する予定だ。「OEMという形式だけでなく、他社の製品にライセンスを供与する提携方法もある」と、日本市場に応じたパートナー制度を確立する方針だ。今年度(06年12月期)は、日本国内の売上高を前年比2倍にアップする計画を示している。