【ソウル発】韓国最大のオンラインロールプレイングゲームであるNCソフトの「リネージュ」と「リネージュ2」で14万人を超える大量の名義盗用事件が発生し衝撃を与えている。自分の名前と住民登録番号が他人に盗用され会員登録に使われているとの届け出が相次ぎ、すでに2月17日付けで14万人を超えている。

 このような大規模の名義盗用が発覚したきっかけは、顧客センターにトラブルが生じたことだった。リネージュに会員登録しようとしたところ、すでに登録された住民番号であるとのエラーメッセージが出たので顧客センターに電話すると、「あなたこそ本人でないかもしれないので住民登録証をコピーして送信してもらわない限り、確認はできない」といわれたというケースが何千人にものぼった。アジアを代表するオンラインゲーム会社が個人情報保護を大事にしないのは問題であるとネットで噂が広まり、ニュース番組でも報道された。マスコミの報道により、もしかしたらと思い確認したところ自分の名前と住民登録番号で会員登録されていた人が5日間で14万人もいたことが判明。被害届け出はどんどん増えているため、史上最大規模の個人情報盗用事件として記録される見込みだ。

 政府も対策を準備している。情報通信部は今年中に10万を超えるウェブサイトを対象に住民番号流出点検を実施し、インターネットから住民番号を収集する行為を徹底的に取り締まる計画だ。行政自治部は他人の住民番号を不正に使い摘発された場合、厳しく処罰するよう法案を国会に上程している。また、文化観光部はオンラインゲームのアイテム現金取引に関する実態調査を行うとともに関連法制度の改善案を模索している。

 大規模な名義盗用事件が発生した背景には、ゲームのなかで使われる武器やサイバーマネーなどのアイテムが売買されている実態があると見られている。より根本的な原因はインターネットサイト側が会員登録の際、あまりにも数多い項目の個人情報を要求し、しかも本人確認という名目で住民登録番号を要求するところにある。

 このようにして収集された個人情報が内部の者によって、または管理体制の問題やハッキングにより流出し、オフラインやオンラインで悪用されるケースが増えている。

 韓国政府は住民番号に代わる個人認証手段を普及させる一方、電子商取引と一緒に法律で定められた場合を除きインターネット会員登録のための住民番号収集を禁止し、代替手段導入を義務化する法案を積極的に推進する方針だ。住民登録番号に代わる手段については前々から導入の必要性が主張されてきた。昨年末、事業者とユーザー、専門家、政府関係者で構成された「住民登録番号代替手段研究班」が論議を続けているが、費用の問題で進展が見られないのが実情だ。
鄭載学(ジョン・ジェハク=BCNソウル特約記者)