デジタル地図開発のインクリメントP(森秀一社長)は、今年度(2007年3月期)からの3か年で売上高を昨年度比1・2倍に増やし、デジタル地図を応用した自主ビジネスの比率を全体の3割強に高める。これまでカーナビゲーション機器メーカー向けのOEM事業が売上全体の8割弱を占めていたが、市場の成熟が進むなかで携帯電話などマルチデバイス対応を軸とする自主ビジネスの拡大に取り組む。

 自主ビジネス拡大の柱となるのが携帯電話やパソコンとの連携強化、企業向け地理情報システム(GIS)の販売強化などだ。とりわけ携帯電話は防犯や防災面での需要を受けてGPS機能を標準搭載する機種が急増。デジタル地図の応用も従来以上に進むことが見込まれることから「携帯電話における地図ソフトのシェア拡大に重点を置く」(森社長)。

 デジタル地図の制作や情報の迅速なアップデートには多大なコストがかかる。だが、制作コストの削減には限界があるため、携帯電話などのデバイスに活用範囲を広げることで単価を下げる。価格競争力が高まれば、販売先を開拓しやすくなり、ビジネス拡大が期待できる。

 一方で、検索サイトやポータルサイトなどの地図サービスは、広告収入などに依存した無料サービスが多いため、同社ではカーナビで培ったルート検索機能を生かすなどして付加価値を高め、収益力が高い商材づくりを目指す。

 カーナビ用の地図は、一般地図に比べて、交通規制や道路車線の情報、交差点名称の読み上げ機能などの付加価値情報が充実している。こうした「ナビ地図」を制作しているのは、「国内でも当社をはじめ数社に限られている」という。3か年計画ではナビ地図の特性をフルに生かした自主ビジネスの展開を加速させることで事業拡大を目指す。