シンクライアント用ミドルウェア開発のシトリックス・システムズ・ジャパン(大古俊輔社長)は、累計販売ライセンス数を今後3年間で3倍近くに増やす。これまで弱かった主要アプリケーションベンダーとの国内での連携を強化することで拡販に結びつける。セキュリティや内部統制の強化などの要望を受けてシンクライアント市場は拡大基調にある。有力アプリケーションとの相性のよさをアピールすることでシェア拡大を目指す。

 シンクライアント市場の拡大が見込めることなどから今後2-3年で新たに100-120万ライセンスを販売する。昨年度(05年12月期)末の累計ライセンス販売数約60万と合計して、累計160-180万に増やす方針だ。

 販売戦略の要となるのが有力アプリケーションベンダーとの連携。マーケティング本部の柳宇徹(リュウ・ウチョル)本部長は「米国ではSAPユーザーの約4割が当社のミドルウェアを使っている」と、主要アプリケーションベンダーとの連携が販売増に貢献していると語るが、国内ではこうした取り組みが遅れていた。

 今年度から営業戦略を見直し、国内においてもアプリケーションベンダーとの連携強化を進めるとともに、パソコン以外のクライアント端末への対応も積極的に進める。携帯電話やPDA、スマートフォンなどのモバイル機器は容量の大きいアプリケーションを動かすのは難しいとされていたが、これにシンクライアント方式を適用することで動作可能な端末を増やす。

 一方で、競合するミドルウェアが多数出てきているのも事実。シトリックスでは対応可能なアプリケーションやデバイスの豊富さで対抗する。

 例えば、新規に登場したシンクライアント用ミドルウェアのなかには、OSやアプリケーションのライセンスが完全に保証されないと懸念を示すソフトメーカーも出てきている。シトリックスでは有力ソフトメーカーとの提携を強化することで事前に問題を回避。「販売パートナーやユーザー企業の安心感」を高める取り組みに力を入れることで優位性を高める。

 NECや富士通といった有力販売パートナーにも独自のミドルウェアを開発する動きが出てきているが、「すべてのミドルウェアと競合するわけではない」と正面からの競合を避ける姿勢を示しつつ、クライアント端末とサーバーを結びつける「アクセスプラットフォームの専業ベンダー」に徹することで協業の接点を広げていく。

 シトリックスのミドルウェアは処理能力が低い旧式のパソコンやモバイル機器、通信速度が遅いネットワーク環境にも柔軟に対応できるのが強みで、トップクラスの実績がある。