マイクロソフト(ダレン・ヒューストン社長)は9月1日、横浜市で開催した自社イベントの「Tech・Ed 2006」で、女性ITエンジニアを対象にした交流会を初めて実施した。IT企業の職場環境やキャリアなど、女性が働くうえでの問題点を共有するのが目的。企業向けソフトウェア開発などの従事者は、年々減少する一方で、女性ITエンジニアの数が増えなければ、IT産業自体が危機に瀕する可能性がある。同社は、IT企業の女性比率が一般企業に比べて低い体質に、一石を投じようとしている。

 「Women in Technology@Tech・Ed 2006 Luncheon」というのが交流会の名称。昼食時間を利用し、女性ITエンジニアら約150人が集まった。冒頭に挨拶した同社の鈴木協一郎・執行役は「ソフトウェアに対するニーズが多様化している。男性と異なる女性の柔軟な価値観を利用することで、ソフトは進化する」と、女性ITエンジニアが魅力に感じるIT企業を実現させる必要性を訴えた。

 続いて行われたパネルディスカッションでは、SE経験のあるNECラーニングの内海房子社長と日本ユニシス・ラーニングの白井久美子社長が、仕事と家庭の両立方法や習得すべき技術力などについて議論した。内海社長は「汎用機の頃、仕事を任せてもらなかった。しかし、与えられた仕事は、どんな案件でもがんばり評価を得た」と、女性ITエンジニアが重要プロジェクトを任せてもらえない苦悩の時代を語った。

 白井社長は、受託ソフト開発を長年手がけてきたが「女性は男性に比べ、コミュニケーション能力が高い。20-30年代では、PM(プロジェクト・マネジメント)の技術習得に力を入れた」と、女性特有の能力を生かし、社内で重要案件を担当するまでになり、出産を経て会社に復帰しても要職に就けるようになった、と経験を述べた。パネルディスカッションのあとは、15個のテーブル別に女性の職場環境などについて話し合った。

 国内全産業に占める女性社員の比率は、25-30%に過ぎない。これに対し、女性登用を積極化しているマイクロソフトでさえ、20%に満たず、管理職は10%程度にとどまっているという。同社は今後、女性ITエンジニアを対象にした交流会などを定期的に開催し、女性の意識改革と企業側に積極的な登用を促していく。