【上海発】中国全土に約18万人の消費者モニターを擁するサーチナ総合研究所が定期的に行っている定点調査のうち、携帯電話に関する最新調査の結果が明らかになった。中国ではいま、内外の携帯端末メーカーが鎬(しのぎ)を削っているが、そんな中国マーケットにおけるナマの声でもある本調査結果の一端を紹介する。

 中国の消費者に携帯電話の保有状況を聞いたところ、保有台数では1─2台が最も多く、通信方式では中国移動(チャイナモバイル)系GSMが全体の70%強となった。また中国版PHSの「小霊通(シアオリントン)」ユーザーは、2005年11月の前回調査に比べて大きく減少していることが分かった。

 サーチナ総合研究所では、中国消費者の携帯電話意識を探る調査を半年に1回実施しており、今回は第7回目となる。調査は新秦商務咨詢(上海)有限公司(上海サーチナ)を通じて06年5月19─24日に実施し、北京市、上海市、広東省を中心とする中国全土のモニター1800人から有効回答を得た。

 携帯電話を「1台持っている」人の割合は、前回調査の41.4%から45.9%に増加。一方、「2台持っている」人は43.1%から40.0%、「3台持っている」人は12.1%から9.5%、「4台以上持っている」人は3.4%から2.4%とそれぞれ減少している。複数台を保有するユーザーは、前回は大きな伸びを示したものの、その傾向はやや落ち着いてきた。しかし、所得が高い層ほど複数台保有志向が強いという傾向は変わらない。

 また、使用している通信キャリアを聞いたところ、最も多いのは前回調査同様「中国移動系GSM」で、前回を7.2ポイント上回る71.3%となった。以下、前回同様「中国聯通(チャイナユニコム)系GSM」(11.8%)、「中国聯通系CDMA」(6.7%)と続いており、両社のシェアに大きな変動はみられなかった。

 現在利用している携帯電話のメーカーを聞いたところ、最も多いのは05年11月の前回調査と同じく「ノキア」となり、第2位の「モトローラ」を10ポイント近く引き離していることが分かった。前回第2位の「サムスン」は「モトローラ」と0.6ポイント差の第3位となっており、上位10社のうち中国メーカーはわずか3社だった。

 第1位の「ノキア」は世代・地域を問わず高い人気を誇っており、同社は広東省・東莞(とうがん)工場のキャパを大幅に増やしている。

 今回第2位に返り咲いた「モトローラ」は「四川省」では第1位だった。モトローラは、華為技術との共同R&Dセンターを設立するなど、巻き返しを狙っているところだ。

 トップ3に続くのは、「ソニーエリクソン」「シーメンス」の外国企業勢。中国企業では「寧波波導(バード)」の第7位が最高で、以下「夏新(Amoi)」(第9位)、「TCL」(第10位)の順となった。

 また「中国メーカーと外国メーカーのどちらを支持するか」を聞いたところ、「外国メーカー」が42.7%で、「特に気にしない」が前回調査より6.4ポイント増えて40.7%となっている。「中国メーカー」と回答した人は、地域では「四川省」、世代別では50代以上が最も多く、ともに2割を上回った。

 「今後期待するメーカーは?」という問いに対しても、上位3社は「ノキア」「サムスン」「モトローラ」の外国勢だが、中国企業としては「聯想(レノボ)」が第5位に入っている。事実、06年3月末時点における「聯想」のシェアは「寧波波導」を抜いて中国メーカーではトップに立っている。「聯想」がどこまで海外勢に食い込めるか、今後が注目される。
森山史也(サーチナ総合研究所)