【ソウル発】Wibro、4Gに続いてホームネットワークサービスの限界を超えた新しい無線通信技術を韓国電子部品研究院が開発した。バイナリーCDMAで、多様なデジタル機器を無線で連結し、音声・映像・データを手軽に取り交わすことができる個人用無線通信技術である。

 新技術は、デジタルホームサービス分野で無線LAN、Bluetooth、RFIDなどが持つ限界を解消することで、関連市場の活性化に大きく寄与すると期待されている。

 既存の無線通信技術は電力消耗がひどく、ホームネットワークに適用しにくい。また、大容量データ送信の際、電波干渉の影響で送受信がなめらかではない問題があった。

 これに対してバイナリーCDMA技術はCDMAとTDMA(時分割多元接続)技術の長所を結合したもので、少ない電力で超高速データ送信を行えるのが特徴だ。バイナリーCDMAは基地局なしで最大500mまでデータを送信し、伝送速度は最大55Mbpsまでの高速化が可能。100m以内の近距離では移動中でもデータ送受信が可能で、時速80Kmで走る車の中でも映像と音声を送受信できる。

 無線LAN、Bluetooth、ジグビーのような無線通信システムよりサービス半径が10─50倍以上広く、他の無線通信と相互干渉なしに同時に使うことができるのも特長。ひとつのネットワークにTV、冷蔵庫、エアコンなど最大250台のデジタル機器を同時に接続しデータを交換できるため、ホームネットワークに適している。

 別途基地局がなくても最大40台の端末とネットワークを構築することができる。半径500m内で、携帯電話で撮影した動画をすぐデジタルTVで再生したり、キッチンにいながら玄関のチャイムが鳴ればその場で電話や携帯端末などに転送して、外に誰が来ているのか動画で確認することができるようになる。

 電子部品研究院が2001年から開発に着手したこの技術は、30余りの特許を獲得した。05年9月、ISOで産業用無線ネットワーク分野の国際標準として採択され、世界各国で標準として採用される可能性も高い。

 電子部品研究院は、「2010年無線通信機器の世界市場規模は1162億ドルと予想されるなか、バイナリーCDMA部品を搭載した製品のシェアが仮に10%だとしても売り上げは110億ドルを超えるため、経済誘発効果も少なくない」と期待している。

 バイナリーCDMAは情報通信部が情報通信振興基金を投入して、積極的に支援した。このため、国際通信規格分野では目立たなかった韓国が基礎技術の研究開発から商用化まで一貫して成功させたという点で、Wibroに引き続き、もう一つの技術を確立したと国内では高く評価されている。

 バイナリーCDMA技術を韓国企業に移転する作業は、早くも進められている。電子部品研究院はバイナリーCDMA技術の核心であるSoC(System On Chip)部品とネットワーキングプロトコル技術を大宇電子部品に移転した。多様なシステムに適用させるためにオンビネットテク、イナルティエンティ、ミトアルエフ、バーベルシステム、エムアイユなどの関連企業を対象にバイナリーCDMAチップを利用した応用技術を移転した。

 このほかにも現在一部企業とは「作業者用マルチメディア無線通信端末」と「列車間移動無線ネットワーク」などに適用できる製品を生産している。今年末にはHDTVレベルの高画質動画を無線で送信できる製品も発売される。
趙章恩(チョウ・チャンウン=ITジャーナリスト)