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韓国の携帯電話ベンダー 「ペンタック系列」がリストラ 社員の20%を削減

2006/11/06 18:07

週刊BCN 2006年11月06日vol.1161掲載

【ソウル発】韓国の携帯電話ベンダーで、auの「A1405PT」「A1406PT」を輸出しているペンタック系列が人員、組職、調達3部門のリストラを行う。2四半期連続赤字に引き続き、第3四半期も期待を下回ると予想されており、早期に競争力を強化するためのリストラに踏み切ると発表した。

 北米と中南米、日本、韓国の4大主力市場に資源を集中し、競争力の弱い市場は大幅に整理する。組職は既存11部門41本部を3部門29本部に集約し、マーケティング、商品企画、営業を統合管理して効率を高める。

 ペンタック系列は2年前、海外からの注文生産方式から脱皮し、自社ブランド事業のため2000億ウォン以上の費用をかけてグローバルインフラを構築した。韓国内では現代キューリテルとSKテレコムの子会社だった「スカイ」を買収し、攻撃的な戦略を展開したが、昨年、大幅な赤字を計上した。

 3000人ほどの社員の20%を削減するため、希望退職を受け付ける。買収過程で重複する業務の人員が増えているためだ。

 同社は最近、ユティスタコムと3年間3000万台のCDMA端末の供給契約を結び、北米とブラジル以外の中南米地域に独占販売する。ペンタックは商品企画と研究開発、製造を担当し、ユティスタコムは販売とアフターサービスを担当する。

 米国のGSM市場では自社ブランドで攻略し、CDMA市場ではユティスタコムを通じて安定的に製品供給ができるようになった。ユティスタコムはソフトバンクグループが主要株主で、5000万ドルをペンタックに投資する方針。

 ペンタック系列は第4四半期からは在庫の一部をユティスタコムに供給し、来年の第1四半期からは計画通り海外投資と各地域への輸出が始まれば状況は好転する見込みで、深刻な経営悪化ではないと説明している。

趙章恩(チョウ・チャンウン=ITジャーナリスト)
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