NEC(矢野薫社長)は、グリッド技術を適用し広域に分散したITリソースを有効活用する統合システム運用管理ソフトウェア「WebSAM GlobalGridOrganizer(GGO)」の販売を開始した。大手ITメーカー3社が参加した経済産業省の「ビジネスグリッドコンピューティングプロジェクト」の成果を取り入れた国内初のミドルウェア製品となる。当初は主に大企業を対象に、ディザスタリカバリー(DR=災害復旧)ソリューションとして売り込む。GGOは、2008年度(09年3月期)までに50システムの販売を目指す。同社のグリッド事業全体では、同1500億円の売り上げを見込む。

 GGOは、企業内の異なるベンダーのハードウェアやソフトウェアなどITリソースを仮想的に統合し、運用管理の自律化を実現できる。IT資産をレイヤ別に仮想化して、負荷変動に応じ、稼働率の少ないリソースへ分散する。

 これまで、同一ベンダー製品による「筐体内グリッド」はあった。だが、異なるベンダー製品間では、グリッド環境を構築することができなかった。経産省の同プロジェクトには、NEC、富士通、日立製作所の汎用機メーカー3社が参加し、グリッド関連技術の標準化などを開発。GGOでは、この技術を国内で初めて適用した。

 同社は、GGOと「WebSAMシリーズ」製品群、ストレージ製品「iStorage」や統合プラットフォーム管理製品「WebSAM SigmaSystemCenter」にリソースを割り当てる機能などを連携させたソリューションを展開する。

 担当する福島誠・第一システムソフトウェア事業部グリッド推進センターマネージャーは「既存ITリソースを負荷分散して有効活用することで、新規業務システムを構築する際、新たにサーバーなどを新設する必要がなくなる」と、既存ITリソースを有効にして、新規サーバーを立てずにすむため、ユーザー企業の新たなIT投資に結びつくとみている。また、「バックアップ用で普段は稼働率が低い待機リソースを有効利用できるほか、災害時の復旧時間を大幅に短縮できる」という。

 まずは、既存ユーザー企業で広域にITリソースがデーターセンターなどに分散している大企業を対象に、GGOを利用したDRソリューションとして提案する。GGOを利用すれば、災害復旧する際の操作が単純化され、通常半日か1日かかる復旧作業を10分程度で完了できる。

 同社は、こうした大企業向け「ビジネスグリッド」と科学技術計算向け「サイエンスグリッド」を含めたグリッド事業全体で、08年度末までの3年間に1500億円を売り上げることを目標にしている。各種IT関連の調査会社によると、国内グリッド市場は、08年までの3年間に5000億円に達すると予測している。このうち同社は、30%のシェア獲得を狙う。