トレンドマイクロ(エバ・チェン社長兼CEO)は、法人向けセキュリティソフト「Trend Micro ウイルスバスター ビジネスセキュリティ」を約1年ぶりにバージョンアップし、「同 3.5」として2月28日から販売を開始する。スパイウェアや流行中の「ボットウイルス」の検知・駆除にも対応するなど機能を強化。また、製品価格を前版に比べ最大62.6%の値引きをするなど大幅な価格見直しも行った。製品力だけでなく価格競争力も備え、従業員100人以下の中小企業市場の開拓を進める。

 新版では、コンピュータウイルスだけでなく、スパイウェアや、最近被害が多発する新型ウイルス「ボット」、ルート権限を奪うなどの不正な処理を行う「ルートキット」など、多様な不正プログラムの検知・駆除を可能にした。「URLフィルタリング以外のセキュリティ機能は新版ソフトでほぼ揃えている」(村上憲子・エンタープライズマーケティンググループ・プロダクトマーケティングマネージャー)という。スパイウェア検出では、買収した米インターミュートの技術を取り込んだ。

 価格の見直しも図り、大幅な値下げに踏み切った。パッケージ版の5ユーザー版で前版比62.6%安価な2万7500円。このほか、10ユーザー版、25ユーザー版でも前モデルに比べ価格を60%以上も下げて、それぞれ5万5000円、13万7500円とした。ライセンス版は50%引きの32万5000円。昨年10月から、製品価格を最大約35%値引いたキャンペーンを実施していたが、それ以上に通常価格を下げる戦略に出た。従業員100人以下の中小企業を顧客ターゲットに置いて販売を行っていたなかで、「価格が高いことが拡販の足かせになっていた」(村上マネージャー)という課題を解決した。

 トレンドの調べによると、100人以下の中小企業のほとんどが、クライアント向けセキュリティソフトを導入済みだが、そのうち30-40%は個人向け製品を利用しているという。新版で検知・駆除する不正プログラムの範囲を広げ、専任の情報システム管理者がいない企業でも容易に管理できる設計にしたほか、値頃感のある価格に設定したことで、中小企業の需要掘り起こしを図るのが狙いだ。

 「ウイルスバスター ビジネスセキュティ」は、中小企業に特化したクライアントセキュリティソフトとして2006年1月に販売開始。知名度のある個人向け製品のブランド「ウイルスバスター」の名称を初めて採用し、中小企業市場開拓の戦略商品として投入した。発売後1年間で売上高15億円を目標としていたが、到達しなかった。新版は価格改定もあり、発売後1年間で5億円の売り上げを見込んでいる。