情報処理推進機構(IPA、藤原武平太理事長)の未踏ユース成果報告会が2月17-19日、東京・秋葉原で開かれた。高校生によるプロジェクトが今回初めて採択されることとなった。同級生など同世代の若者が会場に多数駆けつけて座席が不足。立ち見が出るほど満員となり、報告会は若い力であふれかえっていた。

 高専生や高校生などの優れたITエンジニアを表彰する「BCN ITジュニア賞」を昨年受賞した津山工業高等専門学校の井上恭輔さんも未踏ユースに採択され、研究成果を発表した。

 未踏ユースは28歳以下の若手エンジニアを対象に支援することで研究者のすそ野を広げる取り組み。次世代のIT市場創出に担う独創性と優れた能力を持つ研究者を発掘する「未踏ソフトウェア創造事業」の一環として2002年にスタート。06年度は応募数70件のうち21件を採択している。

 高校生で初めての採択となった立教池袋高等学校の新藤愛大さんはアドビシステムズの動画作成ソフト「フラッシュ」を活用したゲームソフトの開発支援フレームワーク「Xelf(ゼルフ)」を開発。複雑な動きをするアクションゲームなどの開発工数が「大幅に短縮できる」と開発成果を語った。フラッシュ技術に魅せられて未踏ユースに応募。「Xelf」はアドビシステムズのフラッシュ関連の開発ツール「Flex」の文字を逆さにして名づけた。

 津山高専の井上さんはネットサーフィンの軌跡をデータベース化し、誰がどのサイトによく訪れるのかを視覚化する「アントウェーブ」を開発。類似するジャンルのウェブサイトを閲覧するユーザー同士で井戸端会議のような会話をできる機能を備えることで“出会いを演出する”仕組みにした。「似たジャンルのウェブを見る人は趣味が共通している傾向があり、話も弾むはず」と開発の動機を語る。

 新藤さんの「Xelf」は詳細仕様の設計に時間がかかり、見映えのいいグラフィック開発の機能の実装が一部間に合わなかった。井上さんの「アントウェーブ」はクラッカーからの攻撃をどう防ぐのかというセキュリティ上の課題を抱える。今後はこうした問題点を解決することで完成度を高め、実用化に結びつけていく考えだ。