【上海発】中国移動通信集団(チャイナモバイル)広東公司は、2007年1月26日からすべての携帯電話契約ユーザーのローカル受信を無料にすることを発表した(ただし、プリチャージユーザーは当面対象外)。別途料金が不要で、固定費を毎月50元さえ払えば、このサービスを享受できる。十数年にわたる従来の課金システムに慣れてきた携帯電話ユーザーにとって、このニュースは福音となるだろう。

 この発表の前日に開催された広東省通信工作座談会において、同省通信管理局の古偉中局長は、今年の重点施策の一つとして、テレコム企業の通信費のさらなる値下げを奨励し、単方向通話料徴収を実現する方向に導くと述べた。国務院情報産業部も、近日中にテレコム企業に対して単方向通話料徴収について要請するといい、同部の奚国華副部長は、中国電信集団(チャイナテレコム)2007年の会議において同様の意思を表明した。

 日本人は不思議に思うかもしれないが、中国の携帯電話は、受信側にも料金がかかる双方向料金徴収制度が今も続いている。

 21世紀に入って、モバイル通信はブームを迎え、爆発的に成長した。06年末には、中国の携帯電話ユーザー数は4億6000万人を超えたという。基盤の拡大により、通話料は徐々に下がりつつある。しかし、単方向料金徴収への道はずっと閉ざされたままだった。

 中国にも迷惑電話が多く、販促電話に出てしまうと、時間が無駄になるだけでなく、その分の通話料も自分が負担しなければならない。そのような事情から中国では、知らない電話番号からのコールには絶対に出ないという人が少なくない。しかしこれでは、重要な電話を逃す恐れもある。通信料が安くなっているにもかかわらず、双方向料金徴収は携帯電話使用に不便を強いていた。

 実は、中国のテレコム会社の体制は非常に複雑で、当時、テレコム産業を振興するため、中央政府のみならず地方政府も資金を出していた。例えば「上海移動」は、チャイナモバイルの傘下だが、上海市政府も株を持っている。そして、契約ユーザーが支払っている50元の固定費は利益として地方政府への返還に充てられている。これも片方料金徴収が難しかった理由の一つとなっていた。また、固定電話キャリア(FTC)とモバイルキャリア(MTC)との決済システムは非対称となっている。携帯電話から固定電話にかけるときには、MTCからFTCに0.06元/分が支払われる。しかし逆の場合は、FTCから何も支払わない。こうした経緯で、単方向料金徴収は実現できなかった。

 ここ数年、各キャリアは「単方向料金徴収」問題を避けて、ややこしい「料金コース」をたくさん提供していた。今、ようやく「単方向」へ本気で一歩を踏み出した。今後は、全面的に「単方向」になる可能性が高いと思われる。
魏鋒(ウェイ・フェン=ACCS上海事務所所長、shanghai@accsjp.or.jp)